- 2026/07/31 06:30 掲載
金融庁も認める“手つかずの3領域”、地銀・信金がまだ稼げていない支援とは?(3/3)
地元課題をどうつかむ? “客観的根拠”を得るには
金融機関がこうした地元自治体の要請にこれまで以上に応えようとするならば、経済産業省が公表するRESAS(地域経済分析システム)などを用いて対象自治体の現状を外形的に捕捉することがセオリーである。ただし、単に人口規模で他の自治体のプラクティスや成功事例を紹介しても有意とは言えない。他の自治体を比較参照するならば、人口規模が同等で且つ、人口ピラミッドからみた年齢区分ごとの標本分布、地勢的な因子、産業構造といった複数の視点に立ち、類似性を見極め、比較対象となる自治体を抽出する作業が欠かせない。
また、RESASは5年前の統計調査の結果などが限定的に反映されているケースが見られ、足元の水準や傾向を別途他の統計情報を用いるなどして補完せねばならない点に注意が必要となる。
そのうえで重ね合わせるべき視点がミクロの統計情報である。デジタル庁では「地域幸福度指標」として全国の自治体の生活のしやすさや取り巻く環境因子、文化、福祉といった視点を指標化して他自治体と比較参照な形態にて公表している。
こうしたマクロ、ミクロのデータの活用で、今後金融機関が地域貢献を果たそうとする際に、よりリニアに対象となる地域の特性や課題を客観的根拠(統計データやその出典など)を用いて分析・検討することが容易となるだろう。
また、全国の自治体には、総務省、内閣府より、政策実現に向けて取り組むべき領域やその目標を掲げる際の「政策的な根拠・証跡」を示すことが下達されており、これをEBPM(証拠に基づく政策立案)と呼んでいる。
統計から得られた分析結果や標本数が確保されたアンケート調査結果、といったものを根拠に、問題を特定したり、解決に向けた目標水準(KPI)を設定する際に用いられる概念である。
地域金融機関におけるこうした活動の積み重ねによって、地元の自治体が抱える諸々の課題解決が可能となれば、金融庁が展望する地域金融力強化プランの趣旨に十分適うことだろう。
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