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  • 2019/09/02

インド・東南アジア現地で見たフィンテックの最新動向、時にアナログな仕組みも必要だ (2/2)

東南アジアで期待されているのは「融資」領域

 アジアのフィンテックスタートアップが活躍している領域を見てみると、「融資」「決済」「投資」「保険」などが多い。特に東南アジアでは、現在日本でも花盛りのQRコード決済を中心とした「決済」「送金」サービスが多く存在している印象だ。

 とはいえ、国によって事情は異なっており、シンガポール、マレーシア、タイなどは、銀行口座保有率が80%を超えてきているが、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどでは、まだ50%に満たない状況だ。そのため、Unbankedと呼ばれる銀行口座を持たない人たち、もしくは、既存の金融サービスを受けられない人たち向けのサービス提供を行っているスタートアップサービスも多い。

 東南アジアで今後特に注目すべき期待領域としては、「融資」があげられる。

 たとえば、日本では消費者金融も存在しており、本人確認書類を持って無人契約機に行けば、ものの数十分~数時間で数十万円単位でのお金を手に入れることができる。

 しかし、これは日本だから実現できる話であり、より融資リスクの高い人たちに、融資を実施するためには、より細かいレベルでの与信ロジックが必要となってくるし、それを実現可能にするテクノロジーも必要となる。

 たとえば、職業や住所、所得などの今までの与信判断に使われてきた情報に加えて、SNSの情報やスマートフォンの情報を活用した新しい与信を実施している「FinAccel(インドネシア)」もその1社だろう。

 ほかにもPtoPの融資サービスを提供する「Faircent(インド)」などは、貸し手と借り手を直接マッチングすることで、適切な金利水準を維持する努力をしている。

搾取するサービスではなく、社会的に意義あるサービスを

 ただ、一点注意しなければならないのは、お金を借りる人は、決してその目的はお金を借りたいから借りているわけではなく、何か目的を実現するために、お金を借りているということだ。

 特に融資は、その用途、目的が非常に大事になってくる。たとえば、新たな収入源を作るための投資であったり、教育のためであったり、将来、そのお金を返すことのできる見込みがある分野であれば、利率を押さえてでも融資をするべきだろう。

 新しい情報を活用した与信により、より多くの人に融資できるスキームは今後もどんどん出てくると思われるが、Unbanked層を「搾取する」サービスではなく、より良い生活や将来を実現するための「社会的に意義のある」融資サービスを設計することが大事である。

 筆者は、スタートアップのサービスについては、日本でも海外でも「何はともあれ、まず自分が体験してみる」を信条にしている。すべてのサービスが体験できるわけではないが、決済などのサービスは、現地の携帯電話の契約などを実施すれば使える場合が多い。

 実際に現地に訪れてその成長している状況を見てみることで、課題を抱えながらも、大きく成長しているマーケットに学ぶべきポイントは必ずあるはずだ。
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