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  • 2020/01/08

なぜ「分散型金融(DeFi)」に期待が集まるのか? 3つの事例でみる最新動向 (2/2)

「機能するか?」ではなく「どう機能させるか?」

 当社がグローバルで調査したブロックチェーンサーベイ2019では、ブロックチェーンは新たなステージへ進みつつあると評価している。

 今では多くの企業経営者にとって、ブロックチェーンは「機能するか?」ではなく、「どう機能させるか?」に注目しており、ブロックチェーンテクノロジーは自社にとって極めて優先度が高いと述べた回答者は53%と、昨年より10ポイント増加した。
主要な調査結果(サマリー)
  • 多くの企業が最優先投資対象としてブロックチェーンを認識53%がトップ5戦略的投資領域に選定(vs 2018年 +10%)
  • 86%がメインストリームにブロックチェーンが導入されることに同意(vs 2018年 +2%)
  • 81%が従来技術をブロックチェーンへ置き換える計画(vs 2018年 +12%)
  • ブロックチェーンコンソーシアムへの参加および共生の推奨
  • 障壁と感じる上位は、「導入(レガシーシステムの置き換え/統合)」と「規制面の問題」(vs 2018年 規制)

代表的な3つのユースケースとDeFiへの期待

1.送金・決済
 国際送金はこれまでコルレス銀行を仲介して送金しており、高い手数料とリードタイムが課題とされていた。これを個人や法人間で直接送金するネットワークを構築する新たな試みが多く見られる。

 すでにリップル社の分散台帳技術を利用した送金は最終消費者向けにサービス提供されている。また直近では日米で有力銀行が新会社を設立するなど、銀行同士の接続にブロックチェーンを活用するシーンが見られており実用化に最も近しいユースケースと言える。

2.本人確認・マネーロンダリング対策
 「本人確認」は、マネーロンダリング対策やテロ資金供与対策、経済制裁対応に関係するものとして国際的に規制が強化されている。

 国内においても個人を対象とするものを含め、厳格化が進められており、それに伴い金融機関の事務処理が増えることが想定される。

 そこで、金融機関が共通利用できるインフラを整備することなどによって、本人確認の効率化と高度化を進めることが期待されている。

 ブロックチェーンを本人確認プロセスに活用し、手続きに必要な情報を複数の金融機関で共有する取り組み(実証実験)が複数の国内外金融機関などで見られる。

画像
ブロックチェーン技術を活用した本人確認(KYC)高度化プラットフォーム構築の実証に係る報告書
(ブロックチェーン研究会)より

3.貿易金融
 多種多様な取引(契約書)が複数の関係者により行われ、取引が複雑で手続きにかかるコストや輸送と決済の時間ラグが発生するなど数多くの課題がある。

 また、そのような背景からなりすまし、重複融資、偽造請求書などの疑いが排除し切れず、世界の全トレードのうち、ファイナンシングされる割合は大きくない。これらを解決する手段としてブロックチェーンの活用が期待されている。国内外で多くの実証実験や実用化事例が見られる。

過剰な楽観論に陥らないことが重要

 以上、紹介したユースケースは実用化段階、あるいはそれに近い事例と言える。

 一方でブロックチェーンはまだ技術的に解決すべき課題もあり、過剰な楽観論に対する懐疑的な見方は強く、今後も継続的に実績を蓄積していく必要がある。

 特にエンタープライズ領域ではキラーサービスがないと言われるが、Libra(リブラ)に代表されるステーブルコインは一定の論議が熟せば決済のメインストリームに採用される可能性もあるのではないだろうか。

※なお、本文書・資料の意見に関する部分は著者の私見であり、著者の所属する法人の公式見解ではない。
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