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- 2025/07/11 掲載
不遇すぎる「就職氷河期世代」の怒りとは?政府の支援続々も…誰も助かっていない理由
50代以上に特化した人材紹介、人材派遣を提供するシニアジョブ代表取締役。1991年、茨城県生まれ。少年~学生時代はサッカーに打ち込み、J1のユースチームで活躍。大学在学中に仲間を募り、シニアジョブの前身となる会社を設立。2014年8月、シニアジョブ設立。当初はIT会社を設立したが、シニア転職の難しさを目の当たりにし、シニアの支援をライフワークとすることを誓った。売上前年比が最高で300%に及ぶ成長を続け、現在に至る。専門紙を中心にシニアの転職・キャリアプラン、シニア採用等のテーマで連載・寄稿中。
政府や政党が次々示す就職氷河期世代の支援策
ここにきて就職氷河期世代への対応策やその案が政府や政党から出されている。就職氷河期世代とは、バブル崩壊後に社会人となり、就職難に直面した、現在40代後半から50代半ばの世代を指す言葉だ。非正規雇用が増加したことで仕事や収入が安定せず、結婚・出産への影響や老後への懸念などがある。
就職氷河期の話題は、今年の年末年始のタイミングで、国民民主党が「年収103万円の壁」に続いて就職氷河期世代支援を取り上げた前後から活発になった印象がある。その後、就職氷河期世代支援は、年金改正法案と併せて話題に取り上げられていく。
年金改正法案については後述するが、就職氷河期世代が年金を受給する世代になる時期に受給額が下がってしまうことを防ぐことを目的に、厚生年金の積立金の一部を基礎年金の底上げに充てる内容を含んだ案を与党と立憲民主党が協議し、5月末に可決成立した。
こうした年金改正の協議が進む中、政府は4月に関係閣僚会議を立ち上げて就職氷河期世代の支援を検討、6月3日には来年に策定する新たな「就職氷河期支援プログラム」の「基本的な枠組み」を閣議決定した。これに先立つ5月下旬には国民民主党も独自の就職氷河期世代政策を発表している。
さらには政府広報が6月26日から「逆風でがんばってきたあなたに、追い風を。」というポスターを公開し、ちょっとした話題を呼んだ。普段のほかの投稿は10件ちょっとのリポストがされる程度の政府広報オンラインのX(旧Twitter)が、この投稿には1000件を超えるリポストがされ、ほとんどが「いまさら」「遅すぎる」「支援内容に意味がない」といったネガティブな内容で、むしろ就職氷河期世代の神経を逆なでしたような印象だった。
なぜ、政府の就職氷河期支援に批判が集まるのか、また、就職氷河期の方はどのような現実に直面しているのか、解説する。 【次ページ】「就職氷河期等の支援策、続々拡充」と言うが…実態は?
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