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  • 2020/02/29 掲載

圧倒的に成長する自己投資の極意、株式以上に投資するべきものは何なのか

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終身雇用制が崩壊しつつある不確実性の高い現代社会は、かつてよしとされた「横並び」がよしとされるのではなく、それぞれの持ち味、強みが「個人の価値」として評価される──そう語るのは「絶対に不可能」といわれた行政改革・財政改革を次々に実行した“異端児”の橋下徹氏だ。橋下氏は「個人の強み」を磨くには、株式投資からもう一歩踏み込んだ投資が重要だという。その要諦について話を聞いた。
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橋下 徹 氏

※本記事は『異端のすすめ 強みを武器にする生き方』を再構成したものです。


「好きなこと」は、はじめから見つけなくていい

 今の日本には、趣味の延長のようなところから、自分の好きなことを仕事にしている人たちがたくさんいます。中には既存の価値観を打ち破って我が道を突き進んでいる人もいて、その姿に憧れを抱く人も多いことでしょう。

 嫌な仕事でも、生活のためには耐えて耐えて、人生最後まで従事すべきというのは昔のこと。好きなことをして生きていくことが可能な時代になりました。

 既存のマスメディアを通さずとも個人が簡単に発信できるツールが揃っており、発信が多くの人に支持されると、とたんに、好きなことが仕事につながる可能性が開かれるのです。

 けれども現実的には、誰もが「好きなこと」で食べていくのは難しいといわねばなりません。

 その中で、もし、どれだけ一生懸命やろうとしても、今の仕事が自分に合わないように感じられて、毎日辛くて仕方ないのなら、悩まずに転職を考えるべきです。それは逃げでも何でもなく、自分の商品価値を高めるための行動なのです。

40代半ばまで全力で動いてチャレンジしてほしい

 皆さんにとって人生という大海原の航海は、まだまだ道半ばです。20代、30代、そして40代半ばに差し掛かるくらいまでは、とにかく全力で動いてチャレンジしてください。

 僕も28歳から38歳までは弁護士・タレントとして、そこから40代半ばまでは政治家として全力で走り続けました。大阪市長として大阪都構想の住民投票までやったところで、「できることはすべてやりきった」という燃焼感がありました。

 住民投票は否決となり、僕が政治家としての全エネルギーを注いだ大阪都構想は実現できませんでしたが、それは市民の皆さんの判断です。結果を真摯(しんし)に受け止め、市長の任期満了とともに僕は政界から引退しました。

 悔いはまったくありません。松井さんをはじめとする大阪維新の会のメンバーや府庁・市役所の職員たちと一緒にエネルギッシュに突き進み、完全燃焼できました。

 僕自身の人生としては「もう、いつ死んでも悔いはない」というくらい、やりきった感があります。今は、政治家を辞めて、次のステージとして、弁護士はもちろん、コメンテーター、講演講師、著者として仕事をしていますが、いつ死んでも自分の人生は納得です。

 今振り返ると、「自分の人生に悔いなし」と幸せなことをいえる立場ではありますが、ここに至るまでは山あり谷あり、苦難の連続でもありました。そして周囲の誰にも負けない行動力によって人生を切り開いてきたという自負もあります。

これからの時代、行動力がすべてを決します。がんばる気が失せてしまって、今いる場所でくすぶり続けるくらいなら、転職は何度繰り返したっていい。 けれども行く先々では、とにかく一生懸命やってみること。この姿勢を失わずに、どんどん行動し、色々なことを体験していけば、「これで勝負する」「完全燃焼できる」と思える仕事に必ず出会えるはずです。

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40代半ばまでは「すべてやりきった」と断言できるほど果敢にチャレンジすべきだ
(Photo/Getty Images)

将来のお金は株式投資で増やすしかない

 生きていくには何かとお金がかかります。そして将来のため、何かあったときのためと、計画的に貯金している人も多いでしょう。

 ただし、超低金利時代といわれる今は、銀行預金は「お金を増やす手段」ではなく、「お金をただ安全な場所に置いておく」程度のこと、いってしまえば、タンス貯金の代わりにすぎません。日本人の預金・貯蓄率は世界ナンバーワンといわれますが、銀行預金の利息をあてにしている人など皆無でしょう。意識すらしていない人が大半だと思います。

 要するに、それほど銀行から得られる利息は微々たるものであり、いくら預金しても、お金はほとんど増えない。ならば、その一部を投資に回すことを考えてみてもいいでしょう。初心者は株式投資になるでしょうが、短期に売買を繰り返すプロの投資ではなく、長期に保有して数十年後の値上がりや毎年の配当を得ることを目指す投資です。

 日本では企業が株主配当に力を入れると、「労働者を働かせて得た利益を企業と一部の富裕層(投資家)が独占している」といった非難の声が上がります。これは、おそらく日本人の間で投資がまだまだ一般的ではないからでしょう。

 世の中には、とんでもないお金持ちがいることもたしかです。でも、富裕層しか投資家になれないわけではありません。

 月に1万円でも投資に回せる余裕があれば、誰もが投資家になれる。そして自分が投資家となって配当を受け取る側に立てば、企業が株主配当に力を入れることを歓迎こそすれ、非難に終始することはしないはずです。

 現にアメリカなど投資が盛んな国では、企業が株主配当に力を入れることが激しく非難されることは少ないです。収入の多寡にかかわらず、個々人が余裕資金を株式に投資し、配当を受け取っているからです。彼ら彼女らにとっては、株式投資で得たリターンを将来の老後資金にするというのは自然なことなのです。

 株式投資とは、決して富裕層がお金を独占するための汚い手段ではありません。企業の挑戦や成長の元手となり、ひいては日本の経済成長にもつながるものです。つまり株式投資は、立派な経済活動なのです。

 もちろん、株式投資は銀行預金のように元本が必ず保証されるものではありません。預金よりも多くのリターンが見込めますが、当然損をするリスクもあります。

 株式投資の本当の初心者である場合には、特定の企業の株式に投資するのではなく、株式をミックスして経済指数に連動する「ETF」というものから始めるのもいいでしょう。

【次ページ】株式投資からもう一歩踏み込んだ投資を

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