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  • 2020/02/27

かつての部下が上司に……「再雇用制度に耐えられない」はどうすればいいのか

連載:大杉潤の「人生100年」時代のキャリア相談所

今回の相談は、定年を2年後に控えた58歳のリース会社勤務の会社員の方です。60歳定年退職と同時に、「65歳までの再雇用制度」を活用して働き続ける先輩社員を見ていて、とても自分には耐えられそうにないと感じています。やはり、かつての部下が上司になって、あまりやりがいを持てない仕事に従事していることや、1年ごと契約社員という非正規雇用の立場も納得がいかないとのこと。定年退職まであと2年という短期間で、どんな準備をすればよいのでしょうか。

合同会社ノマド&ブランディング チーフコンサルタント 大杉 潤

合同会社ノマド&ブランディング チーフコンサルタント 大杉 潤

1958年 東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本興業銀行(現みずほ銀行)に22年間勤務した後、東京都が設立した新銀行東京の創業メンバーに。その後、人材関連会社およびメーカーの人事責任者を経て、2015年より独立し、コンサルタント、研修講師、ビジネス書作家として活動。HRインスティテュート・アライアンスパートナー、リ・カレント プロフェッショナルパートナー、カインドウェア顧問。主な著書に『銀行員転職マニュアル 大失業時代に生き残る銀行員の「3つの武器」を磨け』(きずな出版・2019年)『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書・2018年)『入社3年目までの仕事の悩みに、ビジネス書10000冊から答えを見つけました』(キノブックス・2017年)がある。

WEBサイト:http://www.jun-ohsugi.com

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大杉潤への相談内容

(野々村 英輔 <仮名> 58歳・銀行系リース会社に入社)

 新卒で今の銀行系リース会社に入社して36年間、合併統合で会社名は変わりましたが、これまで転職することもなく、ずっと今の会社に勤め続けてきました。当社は60歳定制で、あと2年で定年退職となります。

 定年後は、1年ごとの契約更新となりますが、満65歳になるまで再雇用される制度があり、65歳までは会社で働き続けることができます。

 しかし、60歳で「定年再雇用制度」を活用して働き続けている先輩を見ていると、徐々に元気がなくなってきて、ただ会社に来て時間をつぶしているように感じてしまいます。

 かつての部下が上司になって使われる立場にもなかなかなじめないし、何よりやりがいのある仕事ができない、とこぼしています。先輩方は「仕方ない」という感じで諦めのスタンスですが、私が同じ立場になったら、とても我慢できそうにありません。

 やはり定年退職を機に、会社の外に出て活躍できる場を見つけたいのですが、定年までの2年間で、どんな準備をすればよいのでしょうか? 定年前に会社員を卒業されて、新たな仕事に踏み出されている大杉先生、アドバイスをお願いします。

大杉潤の答え

 大企業の場合、定年制度がきちんと整備されていて、中小企業に比べると一見、恵まれているように感じるのですが、実はこれからはそうとも言い切れません。グループ会社などもあって、雇用の場が確保されやすい環境なのは確かですが、次の3つの点で、将来の人生設計において選択肢がなくなってしまうリスクがあります。

  1. 会社任せのキャリア形成になりがちで、定年再雇用の終了時、65歳になった時に働き続ける場所を見つけるのが極めて困難

  2. 55歳の役職定年、60歳の定年退職のタイミングで、仕事のやりがいと年収が大幅にダウンするケースが多い

  3. 人生100年時代となり、年金支給開始が70歳になる可能性が高く、年金支給額も減額される見通しのため、「定年後に稼ぐ力」が重要になってくる


人生100年時代は「定年後に稼ぐ力」が重要になる

 特に3番目に挙げた「定年後に稼ぐ力」については、大企業の場合、普通にキャリアを積み重ねていくだけではなかなか身につきにくい、という弱点があります。

 その理由は、2つあります。1つは、大組織の歯車という性格の仕事をすることがどうしても避けられず、自分の仕事に集中して専門性を磨ける面はありますが、周辺の仕事を経験する機会に乏しく、自立したキャリアになりにくい。

 2つ目は、55歳の役職定年以降の10年間、あるいは60歳の定年退職後の再雇用5年間に担当する仕事が、将来のキャリアにつながりにくい補助的な業務になってしまうケースが多いことです。

 野々村さんは、銀行系リース会社にずっと勤務されているとのことですが、55歳以降は、かつての部下や銀行からの出向者・転籍者が上司になり、自らの仕事の分担や役割に関して、「組織や上司が決定しそれに従うのみ」という形になるでしょう。

 そうすると、よほど自らが信念を持って、会社の外で自己啓発や人脈作りに励むなど、意識的に活動をしないと、「定年後に稼ぐ力」は身につきにくいものです。

「定年後に稼ぐ力」は地方の中小企業では身につきやすい

 一方で、中小企業の場合は、慢性的な人手不足の状況にある会社が多く、1人で何役もこなさなければなりません。現職の時は、忙しい割に給料も安いので不平不満が出やすいのですが、大企業の社員に比べると、本来の担当業務の専門性に加え、周辺業務も含めた幅広い業務を覚えることになり、将来、自律的なキャリアになりやすいのです。

 さらに、中小企業は人材確保が難しいことから、役職定年の55歳になっても後任が育っておらず、そのまま管理職を続け、定年退職の60歳になっても給料は下がるものの、仕事はそのまま責任ある仕事を続ける方も多いのが現実です。

 特に地方に本社のある中小企業は人材難が顕著なので、60歳になっても役員になって現役のまま稼ぎ続ける人も多くいます。

 大企業は、企業年金などもあるし、グループ会社で65歳までは「定年再雇用制度」で雇用が確保されているので、一見安定した環境のように思うのですが、人生80年の時代とは違って、男性でも平均寿命が81歳を超え、女性では87歳を超える「人生100年時代」に向かっていることを考えると、そうとは言い切れなくなっています。

 そして、実は65歳の定年再雇用が終了した時に、大企業に勤め続けていた会社員ほど、その後に満足できる職場を見つけることが難しいのです。

【次ページ】65歳になってハローワークに行くと3つの求人ばかり

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