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  • 2020/10/09

キャリアを作っていくための原理原則、「人生の幸福度」を決める方程式はあるのか?

連載:大杉潤の「人生100年」時代のキャリア相談所

今回の相談者は、証券会社に勤務している入社13年目になる30代半ばの中堅社員の板橋さん(仮名)です。これまでさまざまな会社の浮き沈みを見てきた経験から、「今や絶対に安泰な会社など存在しない」と感じています。そこへ今年はコロナショックで売上が大きく落ち込み、業績が悪化する企業が多く、自らの将来やキャリアにも大きな不安を感じるようになっています。こうした厳しい環境下で、「キャリアを作っていくための原理原則」とは何か、幸せな人生を送るにはどうすべきかという根本的な悩みに対して、3回の転職と50代での独立起業というキャリアを切り拓いてきた大杉潤さんが、自らの経験や激動の時代のキャリア開発に役立つ「珠玉のビジネス書」を紹介しながらアドバイスします。

合同会社ノマド&ブランディング チーフコンサルタント 大杉 潤

合同会社ノマド&ブランディング チーフコンサルタント 大杉 潤

1958年 東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本興業銀行(現みずほ銀行)に22年間勤務した後、東京都が設立した新銀行東京の創業メンバーに。その後、人材関連会社およびメーカーの人事責任者を経て、2015年より独立し、コンサルタント、研修講師、ビジネス書作家として活動。HRインスティテュート・アライアンスパートナー、リ・カレント プロフェッショナルパートナー、カインドウェア顧問。主な著書に『銀行員転職マニュアル 大失業時代に生き残る銀行員の「3つの武器」を磨け』(きずな出版・2019年)『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書・2018年)『入社3年目までの仕事の悩みに、ビジネス書10000冊から答えを見つけました』(キノブックス・2017年)がある。

WEBサイト:http://www.jun-ohsugi.com

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【大杉潤への相談内容】

証券会社勤務13年目 板橋 敏也 <仮名> 35歳

 証券会社で営業をしている入社13年目の会社員です。これまで株式や投資信託の営業をいくつかの支店で経験してきました。個別株の業績予想に関してお客さまから意見を求められることも多く、さまざまな上場企業の業績を調べて分析していて感じるのは、これだけ変化の激しい時代においては、「絶対に安泰な会社など存在しない」ということです。

 そうした中で、自らの将来、特に今後のキャリア形成に不安を感じています。いつかは転職と考えて、自分なりに準備・研究もしてきましたが、どんな業界に転職してもリスクがある状況だと思っています。多くのビジネス書を読んでキャリアを作ってきた大杉さんに、「キャリアを作るための原理原則」は何かを、ぜひお伺いしたいです。

【大杉潤の答え】人生の幸福度を決める方程式とは?

 現在は、VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)と言われるように、ますます先が見えない時代です。昨年の今頃、このように新型コロナが世界的に拡大して、経済活動が停滞するとは、誰も予測できなかったでしょう。

 板橋さんが言う通り、「絶対に安泰な会社など存在しない」というのは確かです。そうした中で、まず「幸せな人生とは何か」からお話しし、それを踏まえて、キャリア形成の原理原則をお伝えしましょう。

 結論から申し上げると、私は「人生の幸福度を決める方程式」があって、それは以下の式だと考えています。

人生の幸福度 = 思考法 × 習慣

 あまりに簡単な方程式なので、解説が必要ですね。まず、「幸福度」という言葉ですが、日本で「幸福学」という学問が生まれ、研究されているのをご存じでしょうか?慶應義塾大学大学院の前野隆司教授が提唱し、第一人者です。前野先生によれば、「幸福」とは英語ではWell-being(いい状態)で、身体のいい状態が「健康」、心のいい状態が「幸福」です。


 さらに、幸福にはお金、地位、名誉などの「外的幸福」と、心の安定、やりがい、感謝の気持ちなど「内的幸福」があって、もちろん両方ともバランスよく持っているほうがいいのですが、外的幸福が短い期間しか続かないのに対して、内的幸福は長続きすることが分かっているそうです。つまり、内的幸福の方が人生の幸福度という意味ではより重要なのです。『幸福のメカニズム』(前野隆・講談社現代新書)を参照してください。

 では、内的幸福を高めるにはどうすればよいか? 私は出発点として、「思考法」が最も大切だと考えています。思考法とは「心構え」と言い換えてもいい。何に対する思考法が大事かと言えば、最も大事なのは「仕事」に対する思考法です。

 つまり、「仕事=嫌なこと」なのか、「仕事=楽しいこと」なのかということです。よく「仕事をしてもらう給料は我慢料だ」という人がいます。やりたくない仕事をしたり、嫌な上司の命令にも従って理不尽な扱いを受けたりする仕事の我慢料という考え方でしょう。

 「給料は朝から満員電車での通勤に耐え、自分の時間を切り売りし、会社でストレスを感じる対価だ」と受け止めているのです。これらが「仕事=嫌なこと」という思考法です。実は、日本の会社員は、こうしたネガティブな仕事観を持つ人の割合が先進国では世界一高いそうです。

 一方、「仕事=楽しいこと」という仕事観や労働観の人とは、どんな人たちでしょうか? 会社員であっても企業のトップにまで出世した人は「仕事=楽しいこと」という思考法の人が多いでしょう。特にオーナー企業の創業経営者は仕事が楽しくて仕方がないのです。会社は自分の分身で「身体の一部」みたいな感覚なので、365日働いているし、24時間仕事のことを考えているような思考法を持っています。でも仕事が楽しいから疲れないし、喜んで働いています。

 板橋さんは意外に思うかも知れませんが、小さな企業やお店の経営者やフリーランス(個人事業主)の人でも、「仕事=楽しい」という思考法の人は多くいます。またそういう人は事業も伸びてうまくいっているケースが多いものです。

【次ページ】仕事に対する思考法を決めるのは「自己決定権」

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