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  • 2021/03/01

仙台銀行のDX戦略、地銀はフィンテックにどう取り組むのか

宮城県仙台市に本店を置く仙台銀行は、これまでの地方銀行のイメージを打ち破る新たな取り組みを数多く実現している。全国各地の金融機関と連携したプラットフォーム「Sendai Big Advance」のスタート、SBIマネープラザとの共同店舗「仙台銀行SBIマネープラザ」の開設、子会社である仙台銀キャピタル&コンサルティングとの連携強化など。仙台銀行 代表取締役頭取の鈴木隆氏に、将来に向けての戦略とビジョン、フィンテックの活用などについて話を聞いた。

聞き手:編集部 松尾慎司、構成:吉田育代

聞き手:編集部 松尾慎司、構成:吉田育代

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仙台銀行 本店
(写真:森田直樹/アフロ)

金融機関によるプラットフォームビジネスの第一歩

 世界的な潮流として、IT企業によるプラットフォームビジネスが市場を大きく席巻しています。そうした流れに対応する新たな取り組みの1つが「Sendai Big Advance」です。前回お話した仙台銀行のトライアングル経営戦略の右辺にあたる「新分野への取り組み」の最初の項目でも挙げていたものですが、今回はこれらの項目について詳しく説明していきましょう。

 Sendai Big Advanceは、中小企業の成長を支援する会社であるココペリとの連携によって、2019年11月よりスタートしたクラウド型の本業支援プラットフォームです。ココペリから全国の金融機関が集ったクラウド型プラットフォームの一大グループを構築する構想を聞いた時に、いち早く手を挙げました。

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金融機関による本業支援プラットフォーム・Sendai Big Advanceの展開
(出典:「会社説明資料」仙台銀行)

 今現在、Sendai Big Advanceの会員は1,100社ほどに拡大しています。同じように全国の金融機関がそれぞれのBig Advanceをスタートさせており、参加している金融機関は2020年12月末の時点で57、参加企業は38,773社です。全国の金融機関が地域の枠組みを超えて連携し、中小企業を支援する仕組みになっています。

 Sendai Big Advanceでのメインの業務は、ビジネスマッチングです。ビジネスの他にも、不動産・人材・事業承継など、幅広いマッチングニーズに対応した業務を展開しています。Sendai Big Advanceをスタートして1年ほど経過しましたが、軌道に乗ってきたという手ごたえを感じています。

 当行では、Sendai Big Advanceを始める前からビジネスマッチングの業務を展開してきました。しかしマッチングの対象となる地域が、仙台銀行のエリアである宮城県と、経営統合により一緒にやっているきらやか銀行のエリアである山形県に限定されていたのです。Big Advanceと連携することによって、地域という枠組みを超えて、プラットフォームに集う全国の金融機関に登録しているお客さま同士の商流の形成、さまざまな情報の提供が可能になりました。

 Sendai Big Advanceでは、登録したお客さまへの無料でのホームページ作成サービス、助成金の申請についてのアドバイスが受けられるサービス、お客さまと私どもの営業店の渉外行員がチャットで取引の相談ができるサービスなどを提供しています。中でも、コミュニケーション・プラットフォームとしての機能が、大きな特徴になっていると考えています。

 最大のコンテンツは、志を同じくする全国の金融機関のお客さまとつながること。プラットフォーマーと呼ばれる人たちがさまざまなビジネスの世界で席巻している状況があります。「勝者総取り」といわれる世界ではありますが、Big Advanceはその国内金融版としては唯一のものであり、大きな可能性を持つ優れたビジネスプラットフォームであると考えています。

仙台銀キャピタル&コンサルティングとの連携強化

 当行が100%出資する形で設立した「仙台銀キャピタル&コンサルティング」と連携を強化しているのは、事業承継へのニーズが根強いものであると考えているからです。日本においては中小企業の割合が全体の99.7%を占めており、その中の半数以上の企業が後継者不在という問題を抱えているという現状があります。私どもはその問題の解決のサポートをしていくべきだろうと判断しました。現段階ではまだそれほど、M&A成立件数は多くありません。しかし、今後は増えていくだろうとの見通しを立てています。

 M&Aを手掛けることはビジネスの一環ではありますが、ただ単に儲けることだけを優先するのではなくて、お客さまのため、地域のために、良い情報を提供して、良いM&Aの成立のサポートを行うことを目指しているのです。

 かつて故渋沢栄一氏が「道徳経済合一説」という理念を提唱されました。公益につながる取り組みを行っていけば、企業としての私益にもつながっていくという考え方です。私もまったく同感で、地域に貢献するという使命感を持つことが大切なのです。

【次ページ】SBIホールディングスとの業務提携を決断した理由

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