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- 2021/10/12 掲載
ソーラー関連大手4社を評価、強み「なし」でも市場に“過大評価”される理由
分散型ソーラーおよびストレージ市場の大手サプライヤーの評価
エンフェーズ・エナジー(以下、エンフェーズ)は、ソーラーパネルで生成された直流を住宅所有者が使用する交流に変換するマイクロインバーターの世界的大手企業である。同社の主な最終市場は、2020年売上高の80%を占める米国住宅市場だが、今後は国際市場への拡大と小規模商業市場への参入を計画している。同社はマイクロインバーターのサプライヤーから家庭用エネルギーシステム(ソーラー、ストレージ、ソフトウェア)のサプライヤーへと長期的に移行する初期段階にあると我々は見ている。
エンフェーズはブランド力に競争優位性があると考えられるが、それだけでは同社のモートを「Narrow(狭い)」と評価するには十分ではない。すでにコモディティ化されている他のソーラーバリューチェーンハードウェア部品メーカーとは異なり、エンフェーズは粗利益40%、GAAP(米国会計基準)営業利益20%と堅調な経済性を享受している。
その多くは、厳格な安全規制の恩恵を受けている米国住宅市場と、設置業者を擁するエンフェーズのブランドによるものである。最終的に、「狭いモート」という格付けの裏付けに必要となる10年以上の超過利益維持に向け、同社が低コスト競争を抑えることができるかどうか、我々は疑問視している。
同社は屋上ソーラー設備の増加とストレージの急速な成長の恩恵を受けており、今後5年間の収益成長を約35%と我々は予測している。ストレージは2020年売上高の約10%を占めると推定しているが、ストレージ付属率が50%に近づくと、これが2025年までに約30%に上昇すると見られる。
堅調な収益成長と収益性の見通しはあるものの、株式は過大評価されていると我々は考えている。投資家は、政府政策によるソーラー設備の段階的変更を期待しているか、エンフェーズの超過利益期間が我々のモート「なし」という格付けが示唆する期間より長くなると想定しているか、いずれかだろう。
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