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- 2024/03/04 掲載
海外も驚愕、愛知の町工場が実現した「完全ペーパーレス」、地味にスゴイ5施策の中身
連載:爆売れ工場のつくり方~スチールテック編~
海外企業も「すごい!」と驚く製造環境
スチールテックでは、拙著『すごい工場』(あさ出版)では書き切れなかった当社の秘密(仕組み)をご紹介するため、「『すごい工場』現場見学会」を開催しています。有り難いことに、2019年に開始してから累計で「全国600社、1500名」にご参加いただきました。2023年11月からは、見学プログラムをスチールテックの社員8名がすべて英語で進行する事業をスタートさせ、ナイジェリアやポルトガルなど、海外企業の視察も受け入れています。当社を訪問される多くの方から「すごい!」と驚かれるのが、鋼材加工工場らしくない「ピカピカな製造環境」です。
かつてのスチールテックは、「汚い、暗い、きつい」の典型的な3K工場でした。粉じんが積もっている。オイルミストで床が滑る。機械や設備がサビている。鋼材が雑然と置かれている。火花と煙の中で作業をする……。
ですが、現在は機械も通路もピカピカに磨いているため工場内に粉じんはなく、鋼材も整理整頓したことで、工場のショールーム化を実現しています。
大注目は「ペーパーレス化」、年16万枚の紙削減
「掃除をして工場をキレイにする」のは、環境整備の一側面に過ぎません。現場見学会で「一般的な美化活動と、環境整備の違いは何か」「環境整備を実施すると、どうして生産性が上がるのか」を解説しておりますが、参加者の皆さんから大きな関心を示していただいています。
環境整備が定着すると、PDCAサイクルが回り出し、職場の業務改善力が身につきます。業務改善例の中で、参加者の関心が特に高いのが、「ペーパーレス化」の導入事例です。製造現場でのペーパーレス化に驚かれる感想も数多くいただきます。
それを実現するのが、ほとんどの管理業務をiPadで行っていることです。当社では、正社員だけでなく、嘱託社員・パート・外国人技能実習生・新卒内定者の全員に最新モデルのiPadを支給しています。業務での使用を前提としていますが、iPadの操作に慣れるためにプライベートでの使用も認めています。iPadは、ペーパーレス化を実現する基幹ツールなのです。
ペーパーレス化を実現した結果、当社では、「FAXで受け取った用紙を探す時間が年間164時間削減、時間当たり人件費が年間31万円削減」、「1年で16万枚の紙を削減、年間22万円のコスト削減」を達成しました。
このペーパーレス化について、「『すごい工場』現場見学会」では、「12の施策」を解説しています。本記事では、その中から「5つ」の取り組みについてご紹介します。 【次ページ】ペーパーレス化の「5つの施策」を大公開
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