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  • 2023/02/24 掲載

「暗号資産は徹底的に敬遠」、次世代金融調査が可視化「日本人の超慎重姿勢」

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暗号資産など次世代金融への投資に対する日本人の「超慎重姿勢」ともいえる傾向が、SBI金融経済研究所が実施したアンケート調査で明らかになりました。米国など主要6カ国内で比較したところ、暗号資産の認知度、関心度は日本が最も低く、NFTやステーブルコイン、セキュリティートークンにいたっては聞いたことすらないという人が大半を占めます。さらに、詳しい知識を持っている人でさえ投資になかなか踏み出さない傾向も明らかになり、国内でビジネス拡大を狙う事業者サイドにとって、乗り越えるべき課題の多さを印象づける結果に。なぜ、次世代金融への投資機運は日本でこれほど低調なのか?──調査を主導した同研究所研究主幹・杉浦俊彦氏に考えを聞きました。

執筆:金融ジャーナリスト 川辺 和将

執筆:金融ジャーナリスト 川辺 和将

元毎日新聞記者。長野支局で政治、司法、遊軍を担当、東京本社で政治部総理官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て独立。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。自称「霞が関文学評論家」

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調査で見えた次世代金融に対する日本人の“超慎重姿勢” 、背景にあるものとは

認知度、関心度ともに最低水準

 今回のアンケート調査はSBI金融経済研究所が2022年8~9月にインターネットで実施。調査対象は20歳以上の男女の計2万人で、居住地別内訳は日本1万人、その他5カ国(米国、英国、ドイツ、中国、韓国)各2000人。次世代金融をテーマに据えたアンケート自体は珍しくありませんが、主要先進国で同一の質問を行い、各国で統計上一定の有意性が認められる回答数を集めて横比較できるようにした点が、本調査の特徴といえそうです。

 調査結果をみると、暗号資産など次世代金融への認知度、関心度、投資経験者の割合のいずれにおいても、相対的な日本の低さが際立っています。

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暗号資産等への認知度
(出典:SBI金融経済研究所 「次世代金融アンケート調査」)

 暗号資産の認知度では、日本が14.1%と6カ国中最も低い結果に。また、NFT6.4%、ステーブルコイン7.0%、セキュリティートークンも5.3%と、いずれの認知度も日本が最低水準となっています。NFT、ステーブルコイン、セキュリティートークンについては「聞いたことがない」という人の割合がそれぞれ約8割に達しました。

 もちろん、認知度が低いからといってただちに新領域が盛り上がりに欠けるとは言い切れません。「よく知らないけれど、興味はある」という人が一定数いれば、いずれ機運が高まると期待もできるからです。

 しかし関心度の数値を国際比較すると、そう楽観しにくい現況が浮かび上がります。日本の関心度は暗号資産11.8%、NFT6.7%、ステーブルコイン4.5%、セキュリティートークン4.3%と、いずれも認知度と同様、6カ国中最も低い割合となっています。

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暗号資産等への興味
(出典:SBI金融経済研究所 「次世代金融アンケート調査」)

よく知っていても「投資しない」が大半

 日本の特徴を示すのが、認知度に対する関心度の倍率の低さです。

 この数値は暗号資産などに詳しい人のうち、関心が強いと答えた人がどれだけ含まれるかを示しています。1倍を下回れば詳しい人のうち、関心が強い人の比率が低いことを意味し、反対に1倍を超えると、詳しくはないが関心がある人が多いことを示します。

 日本の倍率をみると、暗号資産は0.8倍とやはり6カ国中最も低く、2倍に達する中国とは対照的な結果となりました。ステーブルコイン、セキュリティートークンの倍率についても日本が最低で、次世代金融に対して「特に強い関心があるわけではないけれど、知識はある」という、「クールな傍観者」の割合が多い実情が伺えます。

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暗号資産等の認知度と興味(関心度)の比較
(出典:SBI金融経済研究所 「次世代金融アンケート調査」)

 また、投資経験者の割合についても、暗号資産9.3%、NFT3.9%、ステーブルコイン4.5%、セキュリティートークン3.6%と、いずれも6カ国中最低の水準です。知識がある層に母数を絞ってみても暗号資産、NFT、ステーブルコインの投資経験者の割合はやはり最低水準。せっかく知識を持っていてもなかなか実際に手を出そうとしない、慎重な姿勢が伺えます。

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暗号資産等の認知度と興味(関心度)の比較
(出典:SBI金融経済研究所 「次世代金融アンケート調査」)

 ここまでの調査結果をまとめると、日本における次世代金融に対する姿勢には次の3つの傾向が見出せます。

  • 次世代金融に詳しい人が少ない
  • 関心の高い人が少ない
  • 詳しい人であっても、なかなか投資に踏み出さない

 調査に携わった専門家メンバーからは、国内の認知度、関心度に関する分析結果に「こんなに低いはずは…」と驚きの声も上がったといいます。エキスパートの実感と統計に乖離があるとすれば、次世代金融に関する知識を持つ人材どうしがクローズドな集団を形作り、それほど詳しくない人と接触する機会が限られている現状があるとも推測できそうです。 【次ページ】「成功体験ない」悪循環が既存金融から波及?

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