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  • 2024/01/11 掲載

日本での「保険DX」とはどういうことか? 住友生命の「類型」を解説

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日本では、コロナ禍でデジタル化が進んだとはいえ、紙ベースや対面で行われている業務もまだ多く、保険DXがあまり進んでないと言われる。しかし、一部の保険会社では、業務を見直したうえで、デジタル化やデータ活用を行い、顧客体験を向上させるとともに業務効率化を図るケースも出てきている。本稿では住友生命の考える保険DXについて解説する。
執筆:住友生命 デジタル共創オフィサー 岸和良、情報システム部 部長代理 宮本智行

執筆:住友生命 デジタル共創オフィサー 岸和良、情報システム部 部長代理 宮本智行

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日本における「保険DX」とはどういうことか?
(Photo/Shutterstock.com)

住友生命の定義する「保険DX」とは?

 デジタルトランスフォーメーション(DX)には、ビジネスモデルの転換を伴い、社会や人々の生活を向上させる効果をもたらす大規模なものあれば、単に紙の申込書を電子化するようなものがDXと呼ばれるケースもあり、社会では広くDXを捉えていることが多い。そこで、筆者の所属する住友生命では、ビジネスモデルの転換が伴うか否かなどを軸にして、DXのレベルを5段階で定義している。

レベル1 既存のビジネスモデルの中で、電子化等によって業務の一部を効率化すること(デジタイゼーション)
レベル2 既存のビジネスモデルの中で、業務の全体を一貫して電子化して効率化すること(デジタライゼーション)
レベル3 既存のビジネスモデルの中で、今までにない価値を既存市場に提供する狭義のDX
レベル4 ビジネスモデルの変換まで行い、今までにない価値を既存市場だけでなく新規市場に提供する狭義のDX
レベル5 破壊的ビジネスモデルによって他業界を席捲する究極的なDXの形

 レベル1や2の既存業務で使う帳票の電子化などは日本でもよく見られる事例であり、より差別化を図るためにレベル3に移行している事例も一部見られる。一方で、レベル4や5は既存のビジネスの破壊を伴うものであり、海外では一部事例も見られるが、生命保険の普及率が高く社会基盤の一部となっている日本おいては、規制による参入障壁などの要因もあり、現時点では象徴的な事例は見られない。

 よって、本稿では「保険DX」を、レベル1~3「保険業界においてデジタルやデータを活用するにより、これまで達成できなかった顧客価値や社員価値の創出を実現したり、既存業務を改善したりすること」と定義した。

 この定義から、日本における保険DXについて解説する。

日本の保険DX事例

 現在日本で推進されている保険DXや保険業務のデジタル化などについて示したい。比較的多いのは「デジタル申し込み」「給付金支払い手続きのデジタル化」「保全変更手続きのデジタル化」など、保険の主業務のデジタル化である。

 DXとはデータやデジタルを使って顧客や社員の価値を高めることである。価値を考える上で欠かせないマーケティングの世界で「価値」を表現する式がある。

価値 = (1)ベネフィット / (2)コスト

 価値を高めるには、分子である「(1)ベネフィット(利得)を高める」、または、分母である「(2)コストを下げる」、または、「同時に(1)を上げ、(2)を下げる」がある。これは価値を高める施策を考える場合に便利な方法である。これを保険に当てはめて考えてみよう。

<保険におけるベネフィットを高める例>
  • 給付の範囲が広い
  • 多くの人が加入していて安心できる
  • 付帯サービス(健康相談など)が充実している など

<保険におけるコストを下げる例>
  • 保険料が安い
  • 手続きが早い、簡単
  • 悩まずに簡単に決断できる など

 保険のDX事例を考える場合、価値をどのように高めているかを考えていくと、その意義がわかるので、以降もその考え方で説明したい。

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「保険のDX事例を考える場合、価値をどのように高めているかを考えていくと、その意義がわかる」
(Photo/Shutterstock.com)
【次ページ】具体的な類型とは?

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