- 2026/11/06 06:30 掲載
PEファンドに転職したのに「仕事がない」?コンサル出身が痛感「想定外のキツさ」3選(2/3)
コンサル出身でも足りない? 求められる知識の幅
PEファンドの担当者に求められるものを並べてみる。案件創出のための仲介会社やFA、金融機関との関係構築力。案件が紹介された後に社内を通すための事業分析と財務分析力。それを提示価格に落とし込むための財務モデリングと戦略策定力。デューデリジェンスで法律事務所、コンサルティングファーム、会計事務所と協働しながら、銀行にも適宜情報を共有していく進行管理も必須となる。専門家と対等に議論できる水準の法律、財務・税務、事業・オペレーションに関する知見。そして投資実行時の大量の書類の作成・確認(ドキュメンテーション)。
投資後も求められる能力は幅広い。経営者や前オーナーとの信頼関係を築く力も求められる。ビジネス全体を俯瞰する「鳥の目」と、現場の細部を見る「虫の目」を使い分け、課題を抽出しハンズオンで解決していく力。担当業界についての専門知識。最近ではAIへの理解と実装力も必要だ。
常に学びがあるという意味では非常に面白いのだが、自分の強みに関する領域だけで仕事ができるわけではなく、冷や汗をかく場面は多い。
コンサルティング会社と事業会社の出身である筆者は、紹介元や経営陣・売主との関係構築、事業戦略の策定、進行管理、投資後の経営支援、AIについては一定の知見や経験があり、キャッチアップは比較的しやすかった。
一方で、財務・税務やモデリング、M&A実行時の書類については手探りで、キャッチアップには多大な時間を費やしたし、今も引き続き強化する必要があると痛感している。おそらくこのような苦労は、投資銀行や会計士出身者であれば少なかっただろう。
ただ、投資銀行や会計士出身者の場合は、逆に事業戦略の分析・策定、投資後のリアリティある経営支援の分野に関してはキャッチアップが必要になる可能性が大きい。投資実行時はスムーズにいくものの、経営支援時にしんどさを感じるケースが多いのではないだろうか。
最初から全部できる完璧な人はいないにしても、それでもある程度の期間で、自分の専門外についてもしっかり理解し、前に進めなければならない。領域が広いからこそのやりがいは、裏を返すと、常に学び続けなければならないキツさでもある。
【次ページ】たった一言が億円リスクに…PEファンドが背負う「最終責任」
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