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  • 2019/11/08 掲載

FINOLAB 柴田誠氏に聞く、日本が「フィンテック先進国」である理由

FinTech Journal創刊記念インタビュー

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日本初のフィンテック拠点として出発したFINOLABが、2019年7月に法人化を果たした。この新組織の発足に伴ってコミュニティーの運営責任者に就いたのが金融革新同友会FINOVATORS共同創設者でもある、柴田誠氏だ。決して規模が大きいとは言えない時期から世界各国のフィンテック関係者の視察を受け入れ、大企業とスタートアップのオープンイノベーションに取り組んできたFINOLABのこれまでの成長、そして展望を柴田氏に語ってもらった。

聞き手・構成 編集部 山田竜司

聞き手・構成 編集部 山田竜司

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FINOLAB
Head of FINOLAB、 Chief Community Officer
柴田 誠氏

FINOLABが設立3年半で世界30カ国以上のフィンテック関係者が迎えられた理由

 FINOLABは、三菱地所とISID、電通が2016年2月に開設した日本初のフィンテック拠点です。2017年2月に当初の東京銀行協会ビルヂング(当時)から、大手町ビルへ拡張移転、2019年7月11日には運営組織を法人化し、FINOLABになりました。

 現在は、スタートアップ会員 46 社、企業会員17 社、登録人数500人超のコミュニティーに成長しています。海外の金融業界関係者や政府要人、大使館関係者に対しては、「日本のフィンテック事情視察の受け皿」としての役割を果たしており、すでに30カ国以上の訪問実績があります。

 なぜこのような役割を担うようになったのか。FINOLAB メンバーの個人的なつながりもあり、“日本初のフィンテック拠点”ということで我々の名前が挙がるケースが多く、関係者の間で評価を獲得していきました。1人のインフルエンサーに知られると、またその人が誰かを紹介してくれるのです。

 次々とFINOLABを紹介いただけるのは、海外と「ギブ・アンド・テイク」の関係を築けたことが大きいと思います。

 これまで日本企業が海外に視察をする場合のアプローチというと、一方的に「教えてください」と会いに行くことが大半でした。その場合1回は教えてくれても、海外の側に得るものがないため、関係は途絶えてしまうでしょう。

 我々は、海外からの「日本のフィンテック分野のプレーヤーを紹介してほしい」という依頼に対して、我々のメンバーで有るかに限らず、何とか力になろうという姿勢で臨んでいます。 縮小傾向にあるといえども、日本はいまだ世界3番目の金融市場です。我々が金融の中心といえる大手町におり、ほとんどの金融機関と関係を築いているため「日本の技術やブレイヤーの動向」を発信できるのは明確な強みだと思います。

海外も高い関心を寄せるのは「日本の仮想通貨事情」

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柴田氏はFINOLAB設立とともに所長に就任。東大経済学部卒、東京銀行入行、池袋支店、オックスフォード大学留学(開発経済学修士取得)、経理部、名古屋支店、企画部を経て1998年より一貫して金融IT関連調査に従事。2018年三菱UFJ銀行からMUFGのイノベーション推進を担うJDDに移り、オックスフォード大学の客員研究員として渡英。日本のフィンテックコミュニティ育成に黎明期より関与、FINOVATORS創設にも参加。
 具体的に、海外から高い関心を寄せられたのが、2017年から世界に先駆けて導入した、仮想通貨の法律や規制に関する取り組みです。さらに「取引所が盛り上がったと思ったら不正や事故が発生して一気に冷めた」といった変遷がありました。

 海外からは「何が起こったのか」「どういう規制が導入されたか」「規制当局は何を変えたか」内情を教えてほしいという依頼がどんどん来ました。

 さらに、「携帯を使った金融サービスの導入」も海外から日本への関心が強い分野です。たとえば「iモード」でのオンラインバンキングはほかの国に先駆けて実現しました。当時、世界には「WAP(Wireless Application Protocol)」と呼ばれる標準規格がありましたが、使い勝手が悪くて普及には至らなかったのです。

 このように日本人自身は意識していないのですが「海外の人との対話で先行事例だったと気づく」ケースがあります。

 金融の一部の領域では、アジア諸国が先行している部分もありますが、世界的に見ても、日本は事例の宝庫であり、金融先進国家の1つと言えるのではないでしょうか。

【次ページ】「協業の実を取る」ために実験環境が必要

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