開閉ボタン
ユーザーメニュー
ユーザーメニューコンテンツ
ログイン
  • トップページ
  • 日本の絶望的な賃金水準は“米国の55%”、20年上がらない「最大の原因」を数字で証明

  • 会員限定
  • 2022/05/09

日本の絶望的な賃金水準は“米国の55%”、20年上がらない「最大の原因」を数字で証明

連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質

日本の賃金水準はなぜ上がらないのだろうか。OECD(経済協力開発機構)が公表する平均賃金データの国際比較によると、日本の賃金は水準が低いだけでなく、時間的に見ても停滞している。なぜこのようなことになるのか、その理由を考える必要があるが、そのためには数字の示す意味を正確に理解しなければならない。

執筆:野口 悠紀雄

執筆:野口 悠紀雄

1940年、東京に生まれる。 1963年、東京大学工学部卒業。 1964年、大蔵省入省。 1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。 一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを歴任。一橋大学名誉教授。
noteアカウント:https://note.com/yukionoguchi
Twitterアカウント:@yukionoguchi10
野口ホームページ:https://www.noguchi.co.jp/

photo
日本の賃金水準が上がらない原因とは何か
(Photo/Getty Images)

日本の平均賃金は米国の55.5%

 OECDが、加盟国の平均賃金を公表している。いくつかの国について2020年の数字を示すと、次の通りだ。

                                                                                      
2020年の平均賃金の国際比較
平均賃金
日本3万8,514ドル
韓国4万1,960ドル
米国6万9,391ドル
ドイツ5万3,744ドル
フランス4万5,580ドル
英国4万7,147ドル
イタリア3万7,769ドル


 このように、日本の平均賃金は、イタリアを除けば、ここに挙げたどの国よりも低くなっている。

画像
日本の平均賃金は韓国やフランスなどよりも低く、差をつけられている
(Photo/Getty Images)

 トップは米国だが、それに比べると55.5%でしかない。

問題は「賃金水準の低さ」と「賃金上昇率の停滞」

 上に見たのは2020年の計数であるが、日本のもう1つの問題は、時間的に見て賃金上昇率が低いことだ。

 2000年における各国の値は、次の通りだ。

                                                                                      
2000年の平均賃金の国際比較
平均賃金
日本3万8,364ドル
韓国2万9,237ドル
米国5万5,365ドル
ドイツ4万5,583ドル
フランス3万8,782ドル
英国4万206ドル
イタリア3万9,175ドル


 これと2020年の数字を比較すると、イタリアの数字は低下しているが、他の国は著しい上昇になっている。それに対して、日本はこの20年間でほとんど横ばいだ。

 このため、2000年には日本より低かった韓国に抜かれてしまった。また、2000年には日本はフランスとほぼ同水準だったが、2020年にはかなりの差がついた。その他の国との乖離も、拡大している。

 日本の国際的な地位は、この20年間で低下したことになる。このように、日本の場合、単に現在の賃金水準が低いというだけでなく、賃金が上昇していないという問題があるのだ。

 なぜこうした問題が生じているのかを、考える必要がある。

【次ページ】日本の賃金が上がらない「最大の原因」とは

お勧め記事

トピックス

IT導入支援情報

PR

ビジネス+IT 会員登録で、会員限定コンテンツやメルマガを購読可能、スペシャルセミナーにもご招待!