- 2026/10/02 06:50 掲載
【日本初】エヌビディア責任者に聞く安全の新常識、工場のAIロボット事故はどう防ぐ?(3/3)
安全性の検証におけるデジタルツインの役割
安全機能を検証する上では、シミュレーションも大きな役割を担う。実際の工場で、人が突然飛び出す、照明が変わる、カメラが汚れるといった危険な条件を何度も再現するのは難しいためだ。Halosを使った検証では、NVIDIAのデジタルツインやシミュレーション技術を組み合わせることができる。発生頻度は低くても重大な事故につながり得る「エッジケース」を繰り返し再現し、AIモデルや安全機能がどう反応するかを確かめることが可能となる。
しかし、シミュレーションを通過しただけで、安全が証明されるわけではない。ここでマリアーニ氏が強調したのは、現実とシミュレーションの差、いわゆる「Sim-to-Realギャップ」である。
「現実に十分近い、信頼できるシミュレーションをつくらなければなりません。そうでなければ、シミュレーションで確認した安全性を現実のシステムへ移せません」
検証にかかる期間は、データセットの規模と多様性、条件の数や計算資源、処理をどこまで並列化できるかによって変わる。マリアーニ氏が示した目安は「数週間から数カ月」。ただし、これは導入期間を保証する数字ではない。
何週間かかるかを先に考えるより、どの条件を再現し、何を安全の根拠として残すのかを決めることが先になる。シミュレーションの速さより、その結果が現実に通用するかどうかが重要なのだ。
Halosが目指すのは、AIが正しく判断できる場面を増やすことだけではない。その判断を信用できないとき、ロボットを安全側へ移すことも含まれる。では実際、日本企業はHalosをどこまで使え、量産や認証へどうつなげられるのか。後編で見ていく。
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