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  • 2023/09/27 掲載

「金融行政方針2023」を読む、国はNISA刷新前に金融ビジネスを健全化できるか?

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金融庁は8月29日、今後1年間における政策面、監督面での活動の方向性を示す「2023事務年度金融行政方針」を公表しました。NISA制度の刷新を中心とした投資促進策が動き出す中、複雑な仕組債の不適切な勧誘など問題発覚が相次いだ金融商品販売サイドのビジネス健全化に向け、当局はどのような姿勢で臨むのか。フィンテック分野ではどのような動きがあるのか。官民への取材を基に行政方針を読み解きます。

執筆:金融ジャーナリスト 川辺 和将

執筆:金融ジャーナリスト 川辺 和将

元毎日新聞記者。長野支局で政治、司法、遊軍を担当、東京本社で政治部総理官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て独立。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。自称「霞が関文学評論家」

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損害保険ジャパン本社の立入検査に入る金融庁の検査官ら。制度改正へ影響を及ぼしそうだ
(出典:筆者撮影)

金融行政方針「4つの柱」

 金融庁の主な仕事は、銀行や証券会社など金融機関が従わなければいけないルールの整備(正確には法制度の企画立案)や、そのルールに基づいて実際に検査・監督を行うことです。

 これからどのようなルールを作り上げていくのか、どのような点に着目して監督を実施するかといった方向性を対外的に示す場が、金融庁が1年間に1度のペースで策定・公表する金融行政方針(以下、「行政方針」)です。

 金融庁は今回の行政方針のポイントとして(1)事業者支援の一層の推進(2)資産運用立国の実現と資産所得倍増プランの推進(3)金融システムの安定・信頼の確保(4)持続的な経済成長を支える金融関連法制の構築――という4つの柱を設けています。

画像
行政方針を構成する4つの柱
(出典:金融庁2023事務年度 金融行政方針

 行政方針は決して読みやすい資料とは言えません。それは専門用語の多さや、「霞が関文学」に特有の掴みどころのないような書きぶりのせいだけではありません。

 金融という広大な世界に存在する多種多様な業種・業態(大手銀行、地域銀行、信金信組などの協同組織金融機関、大手証券会社、地場証券、ネット証券、外資系証券、投資運用会社……など)について、それぞれモニタリングの方針を細分化し、ごく縦割り的に記載しているためです。 【次ページ】隠れた重要テーマ、「最善利益義務」とは?

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