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- 2023/10/30 掲載
「キャッシュレス率95%」の韓国、“日本比”3倍普及に貢献したフィンテック環境とは?
FINOLABコラム
Seoul FinTech Weekについて
2023年10月4~6日の3日間、ソウルの中心部にある東大門デザインプラザ(DDP)で、「ソウル・フィンテック・ウィーク 2023」が開催された。筆者は初日のメインカンファレンス及び2日目の世界のフィンテック動向に関するセミナーに登壇した。ソウル市が主催した本イベントにおいては、「フィンテックは私たちの生活をどのように変えるのか」をテーマに、メインカンファレンス、フィノベーション・チャレンジ・アワード授与式、フィンテックスタートアップの展示ブース、経済界のインフルエンサーによる講演、世界のフィンテック動向に関するセミナー、多国籍企業とフィンテック新興企業のオープンイノベーションのための事例共有セッション、フィンテック企業への投資を呼び込むためのIRデモデーの8つのプログラムが3日間にわたって展開された。
韓国では国が主導するKorea FinTech Weekが8月末に開催されているが、本イベントはソウル市主導ということで、参加者の重複はかなりあるものの、ソウルのエコシステムをアピールすることに重点が置かれていた点に特徴がみられる。
メインカンファレンスの概要
市長による開会挨拶ソウル市の本気度が表れていたのが、開会挨拶に市長が登壇したことである。金融の国際化が進展する中でフィンテックの強化が必須という点を強調し、市としてはフィンテックエコシステムの整備・拡大に支援を惜しまないことを表明された。
基調講演(Viva Republica (Toss), CEO, イ・スンゴン氏)
スーパーアプリTossを展開するViva Republica社のCEOであるイ・スンゴン(SG Lee)氏が「フィンテックはどのように社会的利益を生み出すか」というタイトルで講演した。
イ氏は、「フィンテック」という言葉が生まれたばかりの頃(2015年)にTossが簡単なP2P送金サービスから革新の旅を始め、ローン提供やクレジットスコアのチェック、保険の申込み、株式投資へとサービスを拡大、さらなる競争とイノベーションをもたらして人々の金融生活の利便性を向上させてきたとして、同社の歴史を振り返った
そして、韓国におけるフィンテックの代表的なプラットフォームとなったTossが、どのように社会的利益を生み出しているのかを説明した。特に、送金サービスのシェアを獲得することに満足することなく、常に利便性を向上させるために、UI・UX改善を行うとともに、機能追加をによって、2022年には2500万人に達するというようにユーザーベースを拡大してきたという説明は迫力のあるものであった。
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