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- 2024/08/12 掲載
「マナーの悪い外国客は排除せよ」、日本が「安売りしてる」問題を野口悠紀雄氏が警告
連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質
外国人が夜中まで大騒ぎ、不法侵入や付きまといも……
外国人旅行者が急増し、地域住民の日常生活に支障が出ている。オーバーツーリズム(観光公害)と呼ばれる問題だ。こうした被害を受けている方々は、まったくお気の毒だ。
以下では、オーバーツーリズムの問題のうち、外国人旅行客による公共的サービスや施設の過剰利用、不適切利用という問題を取り上げたい。
コンビニも悲鳴、「悪すぎる」トイレの利用マナー
京都など外国人旅行客が集中する観光地では、道路は混んで、地元の人はバスもタクシーも乗れず、住民の通勤や買い物などの移動に支障をきたしているという。ゴミの不法投棄(ポイ捨て)も増えるので、処理が大変だ。公共団体のゴミ処理費用も増える。これまで地域住民の利用を想定されて作られていた公共サービスが、外国人旅行者の利用増加によってパンクしているのだ。
観光地のトイレの問題も深刻だ。JR鎌倉駅近くのコンビニエンスストアでは、トイレ待ちの行列が店外まで延び、買い物客の入店を妨げることもあるという。
何より、利用マナーが極めて悪い。使い捨てカイロやカップ酒のプラスチック製のふたが流されるといった使われ方も度々あるという。便器が詰まるたびに修理を余儀なくされ、清掃に追われて、店員が他の業務に手が回らなくなった。水道代が月約10万円に上ったこともあったという。
「銭洗弁財天」のトイレでは、「アイスキャンディーやだんごのスティックをトイレに流すと故障の原因になります」と、日本語だけでなく、韓国語や中国語も併記して注意を呼びかけている。
こうした外国人観光客が増えた原因は、日本の観光地の魅力が高まったからではない。 【次ページ】「円高」で“モラルの悪い”観光客は減るのか?
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