• 2026/03/02 掲載

SMBCはどこを狙う?世界のBaaSプレイヤー「18社」に学ぶ“最前線の差別化戦略”(3/3)

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チェックアウト・オプションを“束ねる”者が勝つワケ

 こうした銀行由来とフィンテック由来の競争も、突き詰めれば「支払いの瞬間」を誰が設計するかという一点に収斂する。

 小俣氏によると、BaaSの成否を分ける最大の要素は「どのようなチェックアウト体験を外部に提供できるか」である。支払いのUXは、もはや銀行の周辺機能ではなく、“収益の起点”となるコア競争領域に変化していると指摘する。

 同氏が提示する海外の主要BaaSプレイヤーの関連構図は、こぞってチェックアウト・オプションを高度に設計・外販している様子が示されている。そこではB2B2Xの中での「Buy Now(デジタルウォレット)」「Direct Debit」「カード」「BNPL(後払い)」「短期ローン」「ポイント」など、支払い手段の豊富さと組み合わせの柔軟性が求められている。

 たとえば、Adyenは「Adyen Uplift」によってAIによるCheckout最適化を実装しており、ユーザーごとの購買傾向や地域、デバイスなどに応じて支払い選択肢を動的に出し分けることが可能だ。これにより、購入完了率や単価向上、顧客ロイヤルティの向上といった定量的な効果が見込まれている。

 また、Airwallexは越境ECを主戦場とし、多通貨・多国籍に対応した支払いオプションを提供している。為替手数料の最小化や、リアルタイム送金、現地通貨決済などの柔軟性により、ユーザーは心理的な障壁なく“即決”しやすい設計となっている。

 小俣氏は「今は“APIを出すだけ”では差別化になりません。ユーザーが“どの支払い手段を選び、どう完了まで導かれるか”が収益を左右します。支払いのUXこそが、新たな競争軸なのです」と指摘する。

 特に注目されているのが、「複数のチェックアウト手段をどう束ねるか」という能力である。実際、世界のeコマース大手では、Checkout設計を専門とするチームが設けられており、A/Bテストやパーソナライゼーションが日常的に行われているとのことだ。

 銀行がこの領域に踏み込むには、API設計だけでなく、「ユーザー起点でのサービス連携」「リアルタイム与信・KYC」「UXを支えるAIロジック」など、これまでとは異なる開発思想と体制が必要になると言えるだろう。ユーエス・バンク(U.S. Bank)は、組込型金融サービス顧客へ生成AIアシスタントの提供を始めている。そこでは選択肢の提供だけでなく、提案や自律的な決済が行われていくのだという。

 オーストラリアでは、レボリュート(Revolut)がA2A・EC決済・対面決済を網羅する加盟店フル・チェックアウトを提供する一方、伝統的金融機関であるコモンウェルスバンクとウェストパックは複数のPOSシステム提供業者と協業したり、マスターカードと組んでエージェント型決済を推進することでRevolutなどフィンテック企業にも対抗しようとしている。

■DBX2026開催のお知らせ
本記事で描かれているデジタルバンキングをさらに具体的に見聞きし理解できるデジタルバンキング展(DBX2026)が2026年3月12日(木)・13日(金)に開催される。国内外のデジタルバンキング先進事例を確認できる。

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