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- 2026/06/04 掲載
対面営業は不要?超注目テック企業の「AIが自動見積・商談する」保険販売がヤバい理由
連載:福島渉の保険ビジネス「進化論」
東京海上グループにおいて、コマーシャルビジネス推進、資産運用、規制改革、グループ経営戦略の立案・推進など多岐にわたる分野で経験を積み、その後デロイトトーマツグループでコンサルタントに転身。主に保険業界の戦略領域で数多くのプロジェクトを手掛けるとともに、日本の保険プラクティスリーダーとして同グループ全体のビジネス拡大に大きく貢献。戦略コンサルタントとして、保険業界向けの戦略立案・実行、オペレーション改革、新事業開発、海外展開を中核の専門領域としている一方、業界を問わずビジネスを通じた社会課題の解決や新技術の社会実装においても豊富な実績を有している。主な著書に『2050年の保険業界 膨張するリスクに挑む構造改革』(日本経済新聞出版)など。
なぜオンライン販売進まない?「保険」という商品の特殊性
近年、AIの発展により、さまざまな領域で変化が起きはじめている。保険業界にも同様に変革の波が押し寄せているが、その中でもAIが大きな変化をもたらしている領域の1つが、セールス・マーケティングの領域である。しかし、保険という商品の特殊性ゆえに、その変化の現れ方には、一般的な消費財やサービスとは異なる事情が存在する。それを端的に表す、古くから知られる格言がある。
“Insurance is sold, not bought(保険は買われるものではなく、売られるものである)”多くの商材が顕在化した需要に応えることで市場を拡大してきたのに対し、保険は本来需要が顕在化しにくい領域において、販売力によって市場を創り出してきた歴史を持つ。その結果、保険の流通は人間のネットワークと需要を喚起するセールス力に強く依存してきた。
この構造は、インターネットやスマートフォンが普及した現在においても大きくは変わっていない。他の金融取引との比較においても銀行取引や証券取引のオンライン比率は世界でも70~80%に達していると見られるが、保険に関しては20~30%に過ぎないと言われている。
なぜ保険だけがこれほどまでにオンライン化が進んでいないのか。その本質は、単なるデジタル化の遅れでは説明できない。問題の本質は、「売られるもの」として発展してきた保険を、いかにして「自ら選び、買われるもの」へと転換できるか、というより根源的な課題にあるのだ。
【図解】どう消費者は保険購入決める?3段階の納得プロセス
私自身も、この課題にコンサルタントとして約10年間向き合ってきた。その中で得た1つの重要な洞察がある。それは、(保険の営業担当との会話の中で進む)保険の購買プロセスは、顧客にとって「コンテキストの形成」に重要な要素を担っているという点である。
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