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  • 2021/04/16 掲載

投資ファンドの分類、知らないとマズイ?「信託型」「会社型」「組合型」の違い

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「ファンドに出資・投資をしようと考える投資家」や「ファンドを組成・設定、募集しようと考える資産運用会社」など、ファンドに関わるすべての人にとって、無視できないのが「法務」「会計」「税務」の問題だ。今回は、ファンドビジネスに関わる人に知っておいてほしい法務・税務・会計のポイントについて、TMI総合法律事務所 パートナー弁護士の内海英博氏にお聞きした。
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TMI総合法律事務所
パートナー弁護士・NY州弁護士・公認会計士・米国公認会計士
内海英博氏

設立形態による分類:「信託型」「会社型」「組合型」

 ファンドへの出資・投資をする側にとっても、ファンドを設定・運用する側にとっても、ファンドにまつわる法的な論点は複雑であるため、「思わぬ落とし穴」がいくつもあるような状況だと言えます。特に、国境をまたいだ契約が増える昨今、ますます複雑化しています。だからこそ、法務なら弁護士、会計なら会計士、税務なら税理士といったように、各領域の専門家に相談しつつ、常に落とし穴を察知できるようアンテナを張ることが大切になります。

 今回は、「法務」「税務」「会計」の観点からリスクを察知するアンテナを養う上で、知っておいてほしいポイントをいくつかご紹介します。

 はじめに、ファンドの法務上の分類を確認しておきましょう。「投資家から集めたお金を運用し、収益を分配する」という機能を持つファンドですが、「誰にお金を預けるのか」という点において、法務上3つのタイプに分類することができます。

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信託型(日本法における分類)
(出典:TMI総合法律事務所)
 

 具体的には、投資信託などに見られるような形態をとる「信託型」と、投資法人や特定目的会社(TMK)などの形態をとる「会社型」、そして有限責任事業組合(LLP)や投資事業有限責任組合(LPS)などの形態をとる「組合型」があります。

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会社型(日本法における分類)
(出典:TMI総合法律事務所)
 

 投資・出資する側だけでなく、設立・運用する側にとっても、各分類によって留意すべき点が異なるため、基礎知識として理解しておきましょう。

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組合型(日本法における分類)
(出典:TMI総合法律事務所)
 

 たとえば、ファンドを設立・運用する側からすると、ファンドの資金を募集する際に設けられている要件の厳しさなどが、「信託型」「会社型」「組合型」の分類によって変わってきます。次の項目で見ていきましょう。

募集方法による分類:「私募」「公募」

 ファンドは、ファンドを設立・運用する側が「投資家から資金を集める際、どのような投資家を対象に勧誘するか」といった、募集形態によって「公募」と「私募」に分かれます。一般的に、不特定多数の投資家に対して募集を行うファンドを公募と呼びます。一方、50人未満の投資家または一定の要件を満たすようなプロの投資家(適格機関投資家)を対象に募集するファンドを私募と呼びます。

 「公募」と「私募」で法務上のポイントは異なります。たとえば、設立要件の厳しさなどの違いです。厳選されたプロの投資家と、人数を限定した特定の投資家のみに開かれた私募ファンドの場合は、運用成果などに対しある程度の自己責任をとれる投資家のみに限定されていることから、公募ファンドに比べて設立の要件や規制などが緩く設定されています。

 一方、不特定多数の投資家から募集する公募の場合、運用成果が及ぼす社会的影響などを鑑み、要件は厳しく設定されています。アマチュア投資家の参加を想定している公募のファンドだからこそ、「ていねいに投資リスクに関する説明がなされているか」など、アマチュア投資家の保護の観点による要件などが設けられています。

 また、先ほど解説した「信託型」「会社型」「組合型」の分類によって、「私募」「公募」の要件が異なります。

 たとえば、「会社型」や「信託型」であれば、募集人数が49名以下とされていますが、組合型の場合は499名以下とされているなど、「組合型」の「私募」の要件は緩く設定されています。これは、会社型や信託型のファンドの場合、投資家の売却などにより市場で流通していくことが想定されている一方、組合型の場合は、投資家がひんぱんにファンドを解約するなどの状況が想定されないため、その分募集要件自体は緩く設定されています。


 このような、法務上の細かな要件などを暗記する必要はありませんが、「要件が異なる背景」などは、ファンドを設定・運用する側だけでなく、ファンドへ投資をする側も理解しておくと良いでしょう。

【次ページ】よくある「会計」「税務」の悩みとは?

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