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  • 2022/01/19

日本の盲点? 米国で「フィンテック=弱者を救う」という意味が強い理由

「フィンテック」という言葉にはさまざまな意味合いがあり、企業間や国際間の高度な決済システム、ブロックチェーンなどのニューテクノロジーも含まれる。しかし米国において、フィンテックという言葉のイメージは「金融の大衆化」「ダイバーシティ」などが大半を占めている。多民族国家である米国で、フィンテックがマイノリティーを救済する手段になりつつある独特の背景について、米ラスベガスで開催されたテクノロジー見本市「CES」で議論が交わされた。

米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

米国在住のジャーナリスト。同志社大学卒、ボストン大学コミュニケーション学科修士課程修了。テレビ番組制作を経て1990年代からさまざまな雑誌に寄稿。得意分野は自動車関連だが、米国の社会、経済、政治、文化、スポーツ芸能など幅広くカバー。フランス在住経験があり、欧州の社会、生活にも明るい。カーマニアで、大型バイクの免許も保有。愛車は1973年モデルのBMW2002。

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フィンテック企業4社によるパネルディスカッション
(写真:筆者撮影)


「金融の民主化」を目指すプレイド

 CES会期中に行われたさまざまなセッションの中で、フィンテック領域で最初に開催されたのが「Fintechs and the Promise of Inclusivity and Diversity」(フィンテックと、インクルーシブとダイバーシティの公約)と題されたパネルディスカッションだった。参加者はプレイド(Plaid)のラジャ・チャクラボルティ氏、ギグウェイジ(Gig Wage)のクレイグ・ルイス氏、ドロップ(Dropp)のスシル・プラブウ氏、デイリーペイ(DailyPay Inc)のジャニー・ウォルデン氏。

 プレイドが行うビジネスは、基本的には金融のオープンインフラを形成するのが目的だ。チャクラボルティ氏によると、米国人のおよそ9割が何らかのフィンテックアプリを使用しており、多くの人がPayPal、Chime、Zelleなどのアプリをスマホにインストールしている。しかし、銀行にまとめて資金を入れておく時代からアプリに分散することにより、個人がどれだけの負債を持ち、預貯金を持っているのかの把握が困難になりつつある。

 プレイドの目的は、こうした分散した自己資金へのアクセスをモバイルファーストで容易にすることだ。複数のアプリを登録することにより、全体としてのマネーの流れを把握することができる。

 また、その自己資金を分析し、負債がある場合はいかにそれを迅速に返済するか、月々どれくらいの貯金の余裕があるのか、お金の使い道などを1つのプラットフォームでまとめてチェックできる。つまり、複数のアプリを持つ人のためのポイントソリューションとなる。

 こうした動きをプレイドでは「金融の民主化」と呼んでいる。誰でも、いつでも、どこでも気軽にアプリを使って自分の経済状況にアクセスし、資金の流れや購入能力、返済能力などをチェックできる機能だ。このアプリは利用者に無償で提供され、利用者が登録したフィンテック関連のアプリを提供する企業から手数料を受け取るビジネスモデルだ。

 企業側のメリットとしては、1つのプラットフォームで経済状況が把握できることで利用者の経済的破綻を防ぐことができ、それが結果的に企業側の利益につながるという考え方だ。

「Plaid's Mission」と題されたプレイドのコンセプト動画


商店側の少額取引の負担を減らすドロップ

 ドロップはマイクロペイメントを主に取り扱う。マイクロペイメントとは10ドル以下程度の支払いを指し、人が支払いにクレジットカードか現金を使うかを迷う金額だ。このサービスは、個人というより支払いを受ける企業側を考えて作られている。

 クレジットカードの取り扱いを行えば、取引の3%の手数料が発生する。しかし、小型商店などにとっては負担となる。同社が運営する「Dropp」はサブスク形式のサービスで、商店側の手数料を抑えつつ、小口取引を簡単に進められることが特徴となる。

 商取引だけではない。マイクロファンディングを行う時なども、クレジットカードで課金するよりも手数料が安く済み、全体のオペレーションコストを軽減させるのが目的だ。利用者側も小口取引にいちいちクレジットカードを使う必要がなくなり、現金代わりに気軽に使えるアプリとなる。

【次ページ】ギグウェイジ創業者「社会的弱者に経済的エンパワメントを」

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