- 2026/06/23 掲載
「AI勝ち組」マイクロン、900%上昇でさすがに“売り時サイン”? プロが警戒する理由
マイクロン株はすでに“割高”?〇年には下降局面に…
マイクロンテクノロジーは、人工知能(AI)インフラ向け需要を背景とした凄まじいほどのメモリ価格上昇サイクルの恩恵を受けている。メモリ供給のひっ迫によって価格は異常ともいえるペースで上昇し、同社の売上高と収益性を押し上げている状況だ。米モーニングスターは、供給制約が2027年にかけて続き、価格上昇を支えると見込んでいる。ただし、重要なのは、このサイクルがどれだけ長く続き、どこまで上昇するかという点だ。私たちは、このサイクルが2027年から2028年にかけてピークを迎え、その後2029年には急激な下降局面に入ると予想している。
現在のマイクロン株はきわめて割高な水準にある。私たちが推定する公正価値は1株あたり455ドルだが、株価はその2倍を超える水準だ。マイクロン株は、米モーニングスターの米国市場チーフストラテジストであるデイブ・セケラ氏が挙げた「売り推奨5銘柄」のうちの1つでもある。
とはいえ、マイクロン株が注目されるワケ
一方でマイクロンは世界第5位の半導体メーカーであり、DRAM市場では第3位、NANDフラッシュ市場では第5位のシェアを有する。中期的には、AIが同社に力強く持続的な上昇サイクルをもたらすと私たちは考えている。マイクロンは、エヌビディアなどのAIプロセッサ向けに高帯域幅メモリを供給している。私たちは、2025年度のマイクロンの力強い成長はAI投資によるものと考えており、AI投資は米モーニングスターによる5カ年業績予想でも重要な成長要因だ。
また、マイクロンの総出荷量および総売上高に占める高帯域幅メモリの割合は今後も上昇を続け、成長や利益率の改善を支えると私たちはみている。さらに、同社の株主還元策を高く評価しているほか、景気循環の影響を受けやすいメモリ半導体メーカーとしては、バランスシートも健全である。
AI需要で“絶好調”…でも投資家が警戒し始めた理由
米モーニングスターでは、マイクロンはエコノミックモート(持続的な競争優位性)を持っていないと考えている。同社はきわめて資本集約的な業界で事業を展開しており、サイクル全体を通じて十分に高い利益率を確保できているとは言えない。ゆえに、持続的な超過利益を生み出せるという確信には至っていない。
私たちは、DRAMやNANDは市場の需給動向の影響を受けやすく、継続的な価格下落圧力によって業界全体の収益性が低下しやすいコモディティ的な製品とみている。DRAM市場は主要プレーヤーが3社に集約されていることから(NAND市場は6社)、NANDよりも高い利益率を実現できるとみている。それでも、サイクル全体を通じた投下資本利益率は、エコノミックモートがあると判断できるほどの高水準には達していない。 【次ページ】今後どうなる?想定される「ピーク」と「下落シナリオ」
半導体のおすすめコンテンツ
PR
PR
PR