- 2026/10/13 06:50 掲載
JAL“空飛ぶ宅急便”終了で「ANA圧勝」に見えるが…「舞台は成田」両社の絶好機の訳(2/2)
連載:北島幸司の航空業界トレンド
ANAの3倍だった?「勢力図が逆転」した経緯
その後、ANAは767貨物機を投入してアジア路線を拡大し、約20年を経てNCAを傘下に収めるまでになった。前述の通り、勢力図は逆転したのである。
だからこそJALには、かつて培ったフレイター運航や貨物営業のノウハウを、現在の旅客ネットワークや物流企業との連携にどう再構成するかが問われる。ANAだけが世界を目指すのではなく、JALも再び貨物を成長事業として位置付けることで、日本に2つの強力なコンビネーションキャリアが成立する。
舞台は「成田空港」、世界の貨物ハブになれるか?
重要なのは、成田の取扱量自体を増やすことではない。ANA+NCAとJALという2大コンビネーションキャリアを軸に、荷主、フォワーダー、上屋、通関をつなぎ、日本の航空物流全体を束ねる拠点にすることである。
2024年のANA、NCA、JALの貨物輸送量を合計すると約88.9億FTKとなり、1つの航空会社と仮定すれば世界7位相当の規模である。日本の航空貨物は決して小さくない。輸送力が複数の主体に分散しているため、実力が見えにくいだけである。
ANA+NCAとJALは国内で競争するだけでなく、それぞれの機材、路線、顧客基盤を磨き、世界市場を取りに行くべきである。両社が2大コンビネーションキャリアとして成田に貨物を集め、物流データや施設を含めた基盤を高度化できれば、成田は日本の製造業と世界をつなぐ戦略貨物ハブになり得る。
航空貨物の世界は旅客分野と違い、搭乗クラスやマイルも無い。貨物は、両社共有のコンテナやパレットに積まれて輸送される。航空会社間の輸送品質は差が出にくいことから競合よりも提携しやすい関係にある。
かつて747貨物機で世界を飛んだJALと、いま747-8Fを擁するNCAを傘下に加えたANA。その2つの力を競争と補完の両輪として世界へ向けることこそ、日本の航空貨物が再び存在感を高める道である。
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