• 会員限定
  • 2023/05/22 掲載

たった23年でトップから最下位…G7で“日本だけ”が経済成長できない「2つの理由」

連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
記事をお気に入りリストに登録することができます。
5月19日から21日、G7サミット(主要国首脳会議)が広島で開かれた。日本は名誉ある議長国だ。2000年7月に開かれた九州・沖縄サミットのときに日本はG7で最も豊かな国だったが、現在はG7で最も貧しい国となった。1人当たりGDPで各国を比較してみると、日本経済がなぜ停滞したかが見えてくる。

執筆:野口 悠紀雄

執筆:野口 悠紀雄

1940年、東京に生まれる。 1963年、東京大学工学部卒業。 1964年、大蔵省入省。 1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。 一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを歴任。一橋大学名誉教授。
noteアカウント:https://note.com/yukionoguchi
Twitterアカウント:@yukionoguchi10
野口ホームページ:https://www.noguchi.co.jp/

★本連載が書籍化されました★
『どうすれば日本経済は復活できるのか』 著者:野口悠紀雄
購入サイトはこちら:https://www.sbcr.jp/product/4815610104/

photo
図1:G7各国の1人当たりGDPを比較すると…
(IMF WEO〈世界経済見通し〉より筆者作成)

たった23年間で日本は「トップから最下位」に…

 1人当たりGDPで見たとき、日本はG7諸国の中でどのような位置にいるか。IMF(国際通貨基金)のデータによってそれを示すと、図1のとおりだ。日本は文字どおり、最下位である。

 これまで日本は、7カ国のうちイタリアと最下位を争っていたが、ついにイタリアに抜かれてしまった。ところが、2000年における順位を見ると、日本はG7のトップだった。この23年の間に、G7での日本の位置が大きく変化したことが分かる。

 1人当たりGDPの値を2023年と2000年で比べると、日本以外の国ではほぼ2倍になっているが、日本だけが低下した。

日本の1人当たりGDPは「米国の半分以下」

 図2には、日本、米国、韓国、台湾の1人当たりGDPの推移を示す。

画像
図2:なぜ日本だけが1人当たりGDPで成長できなかったのか
(IMFのデータより筆者作成)

 2000年から2023年の間に、米国も韓国も台湾も、1人当たりGDPが増加しているが、日本は増加していない。米国が順調に成長したのに日本が成長しなかった結果、2022年においては、日本の1人当たりGDPは米国の約半分の水準にまで落ち込んでしまった。

 韓国との関係を見ると、2000年において、日本の1人当たりGDPは、韓国の約4倍の水準だったが、2022年には日本と韓国がほぼ同じ水準になった。台湾も、韓国とほぼ同じ推移をたどっている。

 つまりこの期間に、日本は「米国並み」から「韓国・台湾並み」になったことになる。これまでの推移が将来も続くとすれば、韓国や台湾は日本を抜いていくだろう。そして、10年後、20年後には、韓国や台湾は日本よりずっと豊かな国になっている可能性が高い。

 G7は、先進国のグループである。1980年代、1990年代において、アジアの代表が日本ということに異議を唱える人はいなかっただろう。しかし、韓国が日本より豊かな国になった場合、日本がG7のメンバーであることが適切かどうかという意見が出てきても、反論するのは難しいのではないだろうか。

 では、なぜ日本の国際的地位はこのように低下したのだろうか。

photo
次のページでは、日本の経済、そして国際的地位が停滞してしまった2つの理由などについて解説します。
【次ページ】日本経済が停滞した「2つの理由」

関連タグ

関連コンテンツ

日本はもはや“絶望的”? ジム・ロジャーズが語る「お金が集まる国」の必須条件とは

「お金の流通革命!?」
日本国内における「政府の財政経済」と「民間の市場経済」を再考する。財政経済の財源は「税収+国債」である。税収には「個人所得税」「法人所得税」「一般消費税」がある。政府(財務省・国税庁・税調)は個人所得税の総額が「累進税=一律税」であれば善い!に気付くべきである。現経済圏の「市場経済(特に、生産者と消費者の「B2C取引」)」を検証(確認)すると・・個人消費者Cが消費活動する財源は「自己資金OR」である。OR(自己資金)には「生産活動(経営者・労働者)の所得」「年金受給者の所得」「生活保護受給所得」「金融商品(預貯・株)の換金」・・等々がある。しかし、政府の「新しい資本主義」では「持続的な賃金アップ」で一致した。しかし、人口オーナス期の日本は「年金受給者数が増加」するのである。つまり、1960年来の「所得倍増計画」の延長線上に「日本再生」は観えない!更に、「課税所得が1億円の個人消費者Cの可処分所得=6千万円」の使用方法は自由(消費・預貯金・株購入・・)である。そこで、新経済圏NEZを提案する!、<<NEZの特徴>>(1)個人消費者Cを団結させて「消費家Cs」を結成する。(2)個人所得税率が「一律」である。しかし、「可処分所得の全額」を「B2C取引」に使用する義務を課す。(3)Cの「全額消費義務」対して、Bには「損益分岐点以上の売上(収益)」を「BとCsで分配する義務」を課す。(4)「Csの取分」を「国民資産NA」にして「Cに再分配」する。(5)Cは「OR(自己資金)」+「NI(国民資金)」>>で「B2C取引の決済」や「各種保険(年金・医療・介護)料金」の「納付率100%」を実施する。
***
「以上の提言≒ダイヤモンドの原石」である。
よって、
各界の専門家集団による
「ブリリアンカット(58面体)の指輪に加工≒デジタル経済のビジネスモデル(BとCがウィンウィンする仕組み)」
を期待する。

あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます