• 会員限定
  • 2024/08/26 掲載

年収320万円で保険料が「6.6万円」高くなる? 負担割合が「不公平すぎる」大問題

連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
全世代型社会保障の考えに基づき、医療保険や介護保険における保険料の自己負担割合が引き上げられている。ここで重要なのは、所得の種類によって負担の大きさに不公平さが生じていることで、たとえば金融資産からの所得では負担が軽くなるのだ。この問題は、決して軽視してはならない問題だ。
執筆:野口 悠紀雄

野口 悠紀雄

1940年、東京に生まれる。 1963年、東京大学工学部卒業。 1964年、大蔵省入省。 1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。 一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを歴任。一橋大学名誉教授。
noteアカウント:https://note.com/yukionoguchi
Twitterアカウント:@yukionoguchi10
野口ホームページ:https://www.noguchi.co.jp/

★本連載が書籍化されました★
『どうすれば日本経済は復活できるのか』 著者:野口悠紀雄
購入サイトはこちら:https://www.sbcr.jp/product/4815610104/

photo
介護保険、医療保険にはまだ、負担の不公平さが残っている
(Photo/Shutterstock.com)

介護&医療保険で「高齢者負担の拡大」が続く

 後期高齢者医療において、これまでの自己負担割合は原則1割、所得の多い世帯で3割だった。これが改正され、2022年10月から、1割負担だった人のうち所得が一定以上ある人について、自己負担割合が2割となった。変更の対象者は、後期高齢者医療制度の被保険者の約20%に上る。所得の多い世帯は引き続き3割なので、結局3段階の区分になった。

 さらに2023年5月に健康保険制度が改正された。後期高齢者医療制度の年間保険料が、2024、2025年度の2年間で、全体平均で年約5,200円引き上げられる。

画像
介護保険、医療保険の負担引き上げが続いている
(Photo/Shutterstock.com)

 介護保険では、65歳以上の介護保険料が2024年度から引き上げられた。これまでは所得に応じて9段階に分かれていた国の標準区分を変更し、13段階に増やした。これまで最も高い所得区分で、基準額の1.7倍だったのが、最大2.4倍に引き上げられた。

 今後の焦点になるのが、介護保険の利用料を2割負担する人の対象拡大だ。政府は2024年度に、介護サービス利用費における2割自己負担の対象者を広げる方針を示し、少子化対策の財源確保に向けた社会保障改革の計画「改革工程」の素案に盛り込んだ。改革工程は、2023年12月5日の経済財政諮問会議で示された。

 しかし強い反発を受け、引き続き検討が行われることになっている。政府は新たな期限として、「2027年度の前」までに結論を出すとしているが、合意形成がどこまで進むか、先行きは見通せない。 【次ページ】高齢者負担の引き上げは「所得の範囲」が超重要
関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます