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  • 2020/06/27 掲載

TOEICスコアを確実に上げる「王道の方法」とは?

連載:大杉潤の「人生100年」時代のキャリア相談所

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今回の相談は、大手電機メーカーに勤める3年目の若手会社員です。海外売上の拡大や、外国人社員の増加により、全社員に対して英語力の強化が求められています。将来的にはTOEICスコア800点が課長昇進の条件になるそうです。学生時代からあまり英語は得意ではなく、特にリスニングには苦手意識がある現状で、どうすれば英語力を伸ばし、TOEICスコアを上げられるのでしょうか。500点未満だったTOEICスコアを955点にまで上げた大杉潤氏が「王道の方法」を伝授します。

合同会社ノマド&ブランディング チーフコンサルタント 大杉 潤

合同会社ノマド&ブランディング チーフコンサルタント 大杉 潤

1958年 東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本興業銀行(現みずほ銀行)に22年間勤務した後、東京都が設立した新銀行東京の創業メンバーに。その後、人材関連会社およびメーカーの人事責任者を経て、2015年より独立し、コンサルタント、研修講師、ビジネス書作家として活動。HRインスティテュート・アライアンスパートナー、リ・カレント プロフェッショナルパートナー、カインドウェア顧問。主な著書に『銀行員転職マニュアル 大失業時代に生き残る銀行員の「3つの武器」を磨け』(きずな出版・2019年)『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書・2018年)『入社3年目までの仕事の悩みに、ビジネス書10000冊から答えを見つけました』(キノブックス・2017年)がある。

WEBサイト:http://www.jun-ohsugi.com

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英語は今やビジネスにおける世界標準の言語となっている
(Photo/Getty Images)

【大杉潤への相談内容】

荒川 昇平 <仮名> 25歳・大手電機メーカー勤務

 大手電機メーカー入社して3年目で、営業を担当する社員です。入社の選考時には特に英語力などは問われなかったのですが、国内の人口減少、経済停滞で海外売上の比率が年々高まり、営業でも英語力が必要になってきました。

 また、日本国内の拠点でも外国人社員が増加、国籍もバラバラなため英語でコミュニケーションを取る場面も増えてきました。

 そうした背景もあり、人事部から「ビジネス英語力を強化すること、その指標としてTOEICスコア800点を目標とすること」が全社通達として流れてきて、職場では上から下まで衝撃を受けています。

 将来的には、「TOEIC 800点が課長昇進の条件になる」との方針も示されて、若くて頭が柔軟なうちにTOEICスコアを上げて、何としても800点をクリアしなくては、と思っています。

 私はもともと英語があまり得意ではなく、特にリスニングには苦手意識があります。仕事が忙しい中で、英会話スクールなどに通うのも難しく、どうすれば短期間で英語力を強化できるでしょうか。ビジネス書でTOEICスコアを上げたという大杉さんにぜひ具体的な勉強法のアドバイスをお願いします。

【大杉潤の答え】

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合同会社ノマド&ブランディング
チーフコンサルタント
大杉 潤 氏
 ビジネス英語力強化のため、TOEICスコアを昇進の条件にしたり、社内公用語を英語にしたりする会社はどんどん増えています。楽天やファーストリテイリングは有名ですが、大手電機メーカー、メガバンクなど業種を問わず、TOEICの目標スコアを提示して英語力強化を進める会社は増えています。

 ビジネスのグローバル化、組織のダイバーシティ推進が背景にありますが、TOEICスコアが単に「ビジネス英語力」だけではなく、「情報処理能力」を測る試験であることが広く知られることになったのもその理由です。早くからTOEIC受験に力を入れてきた会社では、「TOEICスコアの高い社員は仕事も早い」ことがはっきりしてきたのです。

 荒川さんとしては、いきなり人事から全社通達が来て、TOEIC受験をやらされるという思いもあるかもしれません。仕事の質に直結する「情報処理能力」を磨くことにもなるので、ぜひ主体的に取り組んでみてください。



同時通訳の神様・國弘正雄の名著に学べ

 さて、TOEICのスコアを上げる方法ですが、私が最初の転職を目指した44歳の時に実際に行った「ビジネス書から学んだTOEIC攻略法」を、経験を交えてお伝えします。

 まず、お勧めしたい1冊が『英語の学び方』(國弘正雄著・たちばな出版)です。國弘正雄さんは、「同時通訳の神様」と呼ばれている方で、1969年にアポロ11号のアームストロング船長が人類初の月面着陸を果たした時に、衛星中継の同時通訳をされた方。日本の通訳界では第一人者、多くのトップ通訳者を指導・育成されています。

 この本に書かれているのは英語を学ぶ「たった1つの方法」です。それは「只管朗読(しかんろうどく)」。ただひたすら音読せよ、という意味です。「ただひたすら」とは、100回、200回ではありません。1,000回、2,000回、いや1万回、2万回というレベルでの繰り返し音読です。

 私は2回目の転職先(3社目の勤務)で国際会議運営会社に行き、洞爺湖サミットなど国際会議の運営を担当しました。その際、日本のトップ通訳の人たちが、本番の通訳ブースに入る前に、皆、ウォーミンングアップで、英文の「只管朗読」をしていました。

 すぐれた英文を繰り返し音読するのが、國弘正雄先生が言う「只管朗読」ですが、短時間でもいいので、毎日行うことがポイントです。1日でも空けると、取り戻すのに何十倍もの時間がかかる、とも言っていますので、継続することが何よりも大切でしょう。

『TOEIC公式問題集』をどう活用すべき?

 國弘先生は日本でのTOEIC普及にも尽力されていて、TOEIC公開テストに出題される英文はとても優れた英文だと述べられていました。そこで、私が毎日10分、大みそかも元旦もお盆も関係なく、また接待で夜遅くなった日の翌日朝も、欠かさずに行ったのが、『TOEIC公式問題集』の英文を音読すること。

 ここからは、私なりのノウハウですが、毎朝10分間の音読メニューは次の通りです。

【次ページ】TOEIC単語力と毎日継続のコツとは?

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