- 2026/04/17 掲載
花王アタックを生んだ頭脳を「AIで再現」…凡人でも“天才”になれる「神プロンプト」(2/2)
【AIで再現】“天才脳”を手に入れる「神プロンプト」
村田氏は、危機感を定めると、なぜそれが打開できないのかについて疑問や矛盾を整理し、その中から、イノベーション実現課題を見つけ出していきます。その課題にたどり着くまでは、徹底的に考え、試行し、その結果をフィードバックし、また考える。こうした工程を「これさえ解ければ危機感を打開できる」と確信できるまで諦めず続けるのです。
AIを用いることで、イノベーション実現課題の候補を得ることができます。その結果を基に、村田氏と同様な思考・行動を再現しやすくなります。以下にそのためのプロンプトを示します。自身が抱えている危機や課題とともに、活用してみてください。
<プロンプト>
- この危機感が打開できない背景にある疑問や矛盾を列挙してください。
- 疑問や矛盾の構造を整理して示してください。
- この構造をひもといて危機感打開のために「解くべき課題」を1つに絞ってください。
- 「解くべき課題」を理解するために、効果と実現性が高い課題解決案を示してください。 (4は、1~3を正しく理解するための参考用)
【実践編1】AIの精度が爆伸びする「3ステップ」
上記プロンプトは、AIの回答を得て、それを考え、試し、結果をAIに返して再び回答を得るという、村田氏が実践していたように「繰り返す」ことで効果を発揮します。特定のテーマで使う場合の流れは、以下の通りです。<プロンプトの具体的な使い方>
ステップ(1)最初の入力
- この危機感が打開できない背景にある疑問や矛盾を列挙してください。
- 疑問や矛盾の構造を整理して示してください。
- この構造をひもといて危機感打開のために「解くべき課題」を1つに絞ってください。
- 「解くべき課題」を理解するために、効果と実現性が高い課題解決案を示してください。
ステップ(2)AIの出力を評価し、回答を深める
(4は参考用なので、1~3が変われば変わります)
ステップ(3)人間側でも情報を補い、議論する
このプロンプトでも同様に、AIの回答をそのまま受け入れるのではなく、人間側も関連する知見を持った人材が集まり、AIの回答を触発材料として、より良い知見を生み出します。
そして、「これさえ解ければ危機感を打開できる」と確信できるまで、決して諦めず、検討、調査、試行などを繰り返すのです。
【実践編2】課題解決力を高める、AIプロンプトの活用事例
ここまで紹介したプロンプトを、実際のテーマに当てはめるとどのように使えるのでしょうか。以下では、具体的な事例を基に見ていきます。(以下では、AIが既に持っている知識も、読者の理解を深めるためにプロンプトに追記しています)<AIプロンプト活用例>
GDPは「分配」、「支出」、「生産」の3つの側面で議論できます。「分配」や「支出」、つまり給与引き下げや税負担軽減なども重要ですが、「生産」の側面、つまり付加価値の創出から見れば、その大半を占める企業の付加価値を高めることが必須になります。
そのためには、GAFAM(Google、Apple、Meta、Amazon、Microsoft)並みの付加価値創出を目指す必要があります。この場合、スタートアップの米国並みの成長には、基盤の確立も含めて時間が必要です。そこで、大手企業のイノベーションのアイデア創出と、リスクをテイクした投資決断が欠かせない、ということになります。
しかし実際には、日本のノーベル賞科学者が発見した知識でさえ、応用では欧米大手企業が先行して閾値を超えた投資を行い、日本企業が事業成長で後塵をするケースも少なくありません。
また、海外スタートアップへの投資でも、リスクの高いと思われる新しい技術やビジネスモデルに対して、欧米企業に負けない規模の投資をしている日本企業は一握りです。
このような投資決断の閾値を超えた規模、競争相手に遅れないタイミングでの決断が滞ることが、グローバルな事業成長を阻むという例は多くあります。
- この危機感が打開できない背景にある疑問や矛盾を列挙してください。
- 疑問や矛盾の構造を整理して示してください。
- この構造をひもといて危機感打開のために「解くべき課題」を1つに絞ってください。
- 「解くべき課題」を理解するために、効果と実現性が高い課題解決案を示してください。
ここまで見てきたように、このプロンプトの本質は「解決策」ではなく、「解くべき課題」を導き出す点にあります。
多くの組織では、すでにさまざまな改善が試みられているにもかかわらず、抜本的な変化に至らないケースが少なくありません。その要因の1つが、「何を解くべきか」という課題設定にあります。
本稿で紹介したプロンプトは、その課題設定を見直すための実践的な手法です。自社の事業課題や、新規事業の検討テーマなどに当てはめながら、ぜひ活用してみてください。
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