- 2026/05/29 掲載
【比較】半導体の影で儲かる企業が…絶好調フジクラら「AIインフラ企業」の凄い実力
半導体祭りの裏でフジクラ勝ち組に?AIインフラ注目のワケ
AIデータセンター特需と聞くと、まず高性能半導体を思い浮かべる人は多いだろう。だが、データセンターは半導体だけで動くわけではない。膨大なデータを高速でやり取りする通信設備や、莫大な電力を安定供給する電源設備など、稼働を支える多くのハードウェアが必要になる。たとえば、データを流す光ファイバーや接続部材、電力消費を支える受配電設備、さらにそれらを現場に実装する施工・保守まで、AIデータセンターを支える「裏方インフラ」の裾野は広い。
この視点で各社の決算を眺めると、AI特需の取り込み方には違いがある。フジクラや古河電工、住友電工は光通信・接続部材、富士電機は電源設備、エクシオグループは施工の側面から、AIデータセンター需要に関わっている。
ただし、AIデータセンター需要に関わっているからといって、それがそのまま高い利益率につながるとは限らない。需要がどのセグメントに表れ、原材料費や人件費の上昇をどこまで吸収できるかによって、収益性には大きな差が出る。
では、今回取り上げる5社(フジクラ、古河電工、住友電工、エクシオグループ、富士電機)の中で、AIデータセンター需要を最も効率よく利益へ変えているのはどこなのか。決算を並べると、営業利益率には1桁台から16.0%まで大きな開きがある。なぜフジクラは突出し、他の受益企業との差はどこで生まれたのか、各社の収益化力や明暗を分けた“3つの条件”を見ていこう。
【5社決算比較】営業利益率16.0%のフジクラ、他企業との差はどこに?
5社の決算を比較すると、全社業績の伸び方には差がついた。ここで見落としてはならないのが、全社業績とセグメント業績のギャップだ。いくらデータセンター周辺の需要が強くとも、それが全社の利益率をどこまで押し上げるかは、各社の事業ポートフォリオによって大きく異なる。
突出した数字を見せたのがフジクラだ。売上高1兆1,823億円、営業利益1,887億円で、前年同期比は売上高が20.7%増、営業利益が39.2%増と急成長を遂げた。営業利益率は16.0%と5社の中で際立って高い。背景にあるのは、生成AIの普及に伴うデータセンター向け光通信部材・接続部材の需要増である。
古河電工は売上高1兆3,076億円(前年度比9%増)、営業利益639億円(同36%増)となり、営業利益率は4.9%だった。同社はデータセンター関連製品の需要増加が増収増益をもたらしたとしており、ローラブルリボンケーブルやMTフェルール、水冷モジュール、光半導体関連製品などをデータセンター市場向けの注力製品として掲げている。
一方、住友電工は売上高5兆1,102億円、営業利益4,182億円、営業利益率は8.2%となった。営業利益は前年度比で975億円増加している。補足資料によると、数量増加や体質改善、為替が利益を押し上げたものの、売値・品種構成の変動、銅などの資材高、研究開発費や償却費、関税の負担が減益要因として働いた。
情報通信セグメントでの光配線製品や環境エネルギーセグメントでの電力ケーブルは伸びているが、自動車やエレクトロニクスも抱える巨大企業ゆえに、全社決算におけるAI特需の純度を見極めるには精緻な分解が必要となる。
インフラ施工を担うエクシオグループは、売上高7,877億円、営業利益520億円で営業利益率は6.6%。都市インフラ事業における大規模データセンター構築や、新築ビル・工場の電気工事受注が好調に推移した。
富士電機は売上高1兆2,276億円、営業利益1,366億円で、営業利益率は約11.1%。生成AIやデジタル技術の活用拡大によるエネルギー需要の増大を背景に、電力や製造業、データセンター向けの設備投資を堅調に取り込んだ。5社の業績の違いは、まさにデータセンター周辺のどのレイヤーを握っているかを反映している。
では、この利益率の差はどこから生まれたのか。以下では、AI関連需要の有無だけでは見えない、収益化の構造を整理する。 【次ページ】AI銘柄っぽいのに「伸びない会社」の共通点とは?
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