• 2026/07/13 掲載

日本の核融合発電計画が前進──最大2兆円の原型炉設計

会員(無料)になると、いいね!でマイページに保存できます。
量子科学技術研究開発機構(QST)を中心とする研究チームは核融合発電の実現に向けた原型炉Q-DEMOの概念設計をまとめた。建設費は最大2兆円に上る見通しだ。政府が新たに掲げた2030年代の発電実証目標に合わせ従来より開発スケジュールを前倒しして進める計画となる。
photo
(画像:本文をもとに生成AIで作成)
 量子科学技術研究開発機構はフランスで現在建設が進む国際熱核融合実験炉ITERの技術基盤や設計実績を最大限に活用する。建設費用の総額は最大約2兆円と見積もった。費用の半分程度を炉本体の製造にあて、残りを周辺の建屋や冷却設備などに用いるという。これに人件費や土地の取得費用は含まない。世界的なインフレやレアアースをはじめとする資材価格高騰によりコストが増加する懸念は残る。ITERの機器製作ですでに実績を持つ国内企業の知見を生かせば、高価な超電導コイルなどの主要部品にかかるコストを圧縮できると設計チームは見込んでいる。

画像
【図版付き記事はこちら】
開発を急ぐ海外勢に対する危機感が背景にある
(画像:本文をもとに生成AIで作成)

 開発工程は大きく3つの段階に分けられる。第1段階で2030年代に発電を実証する。プラズマの加熱など炉を動かすために必要な20万キロワット規模の電力と同程度のエネルギーを生み出し正味電力をゼロ以上にする。続く第2期では長期間の発電継続に不可欠となる燃料のトリチウムを炉内で増殖させる技術を実証する。最終的な第3期で出力を引き上げ発電所としての定常的な運転を目指す。

 政府は統合イノベーション戦略などを通じて世界に先駆けて核融合発電を実証する方針を打ち出してきた。巨額投資を行い開発を急ぐ米国や中国などの海外勢に対する危機感が背景にある。海外ではトカマク型以外の多様な方式や民間企業による研究が台頭しており次世代エネルギーを巡る国際的な開発競争は激しさを増す。

 政府は今回示された概念設計をもとに2026年度から建設費の妥当性や計画の実施主体について本格的な検証を始める。膨大な資金を確保するため民間企業からの投資をいかに呼び込むかも今後の課題となる。

Googleで見つけやすく

評価する

いいね!でぜひ著者を応援してください

  • 0

会員(無料)になると、いいね!でマイページに保存できます。

共有する

  • 0

  • 0

  • 0

  • 0

  • 0

関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

基本情報公開時のサンプル画像
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます

基本情報公開時のサンプル画像