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  • 2023/04/21 掲載

すべては日銀次第?「限界地銀」がSVBの「二の舞」になり得る納得理由

大関暁夫のビジネス甘辛時評

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米国西海岸で新興企業への資金供給役を担ってきたシリコンバレー銀行(以下SVB)が先月経営破綻し、世界を驚かせました。このSVB破綻、日本の地方銀行にとって、対岸の火事とは言い切れない出来事と言えるのです。今回はSVBはなぜ破綻したのかを検証しつつ、日本の地銀は大丈夫なのかを考えます。
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日本の地銀はSVBの二の舞になってしまうのだろうか
(Photo/Shuttterstock.com)

SVB破綻は突然に

 SVBはシリコンバレーでテクノロジー企業との取引に特化していた、やや特殊な銀行でした。経営危機は突然やってきました。取引先の大半を占める中堅・中小のIT企業がコロナ後に業界を襲ったIT不況のあおりを受けて、預金の取り崩しを始めたことがそのきっかけです。一方のSVBは顧客から集めた預金の大半を長期の米国債で運用しており、相次ぐ預金の払い出しへの対応には米国債の売却が必要になったのです。

 ところが、折あしく米国は昨年、急速に進行するインフレ対策の金融引き締めを目的として断続的な利上げをしたために、米国債の価格下落が起きていたのです。この状況下で資金繰りに窮した同行は、保有有価証券210億ドルの売却と22億5千万ドルの増資を併せて公表し、市場に経営の健全性をアピールします。しかし有価証券売却による損失発生が18億ドルに上ることなどから「SVBが危ない」とのうわさがSNSで拡散され、全預金の24%である420億ドルが1日で引き出されるという取り付け騒ぎになってしまったのです。

 結果として株価が6割も下落し、これを受けムーディズがいきなり13段階もの格下げに踏み切ったことで増資に応じる投資家が消え、9億ドルの現金不足によって破綻の憂き目に至ったのです。まさに想像を絶する速さで流動性リスクが一気に顕在化したということであり、インターネットで瞬時に情報が駆け巡る時代の取り付け騒ぎの恐ろしさをまざまざと見せつけられた思いがします。ちなみに同行は総資産全米16位の中堅銀行であり、リーマンショック以降では最大規模の銀行破綻となります。

連鎖する金融危機の恐ろしさ

 SVBは預金者の6割がスタートアップ企業でかつ大口取引先が多いため、保険対象外の預金が全体の9割を占めていました。このような特殊性こそが、急激な取り付け騒ぎが起きた原因であったと言えます。すなわちSVBの破綻は、どの銀行でも起こりうる類いのものではないはずだったのですが、ニューヨーク州の総資産全米29位シグネチャー・バンクは仮想通貨関連企業との取引が多いということから連鎖して経営破綻しています。金融不安の連鎖の恐ろしさを見る思いがします。

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SVBは預金者の6割がスタートアップ企業だった
(photo:Around the World Photos/Shutterstock.com)

 SVB破綻に端を発した米国の金融不安は国内にとどまらず海を超えて、かねて経営不振状態にあるスイスの大手銀行クレディ・スイスに飛び火しました。SVB破綻以降、急激な預金流失が続き、これを重大視したスイスの金融当局が主導して同国の金融機関最大手UBSがクレディ・スイスを救済買収することで、危機封じ込めに動きました。一国で発生した金融危機は海を越えて世界どこにでも飛び火する、という恐怖も感じさせられます。 【次ページ】日本の金融業界への影響は?

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