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- 2024/10/16 掲載
元兵庫県知事のパワハラで大注目、「公益通報制度」の重大な欠陥
痛ましい出来事につながった元兵庫県知事のパワハラ通報
元兵庫県知事のパワハラ疑惑をめぐっては、外部に情報を提供した県幹部が自ら命を断つという痛ましい出来事が起こってしまいました。一連の騒動が注目を集めたことで今後、全国の企業や役所で悪事を目撃した人が、告発をためらうような雰囲気が広がるのでは、という心配もあります。
たしかに、通報者を守るためのルールである公益通報者保護制度は、現時点では決して「完ぺき」とは言い難いようです。ただ、今のルールがどのような仕組みになっているのか、その欠陥を含めてしっかり理解することで、いざというときに自分自身や大切な人の身を守るための役に立つかもしれません。
そもそも「公益通報者保護制度」とは
まず、そもそも公益通報者保護制度とは何なのか、ここで簡単に確認しておきましょう。「公益通報者」とは公益、つまり自分や誰か特定の人物、仲間内だけでなく、社会全体の利益のために通報する労働者などを指します。
たとえば、従業員が勤務先の不正を発見し、社内に設けられた窓口に通報した場合を考えてみましょう。会社側が「通報により社内の風紀を乱した」などと理由をつけ、通報者に解雇や降格、減給といったペナルティーを科すというような、理不尽な対応を取ることは禁じられています。
とはいっても、「公益目的だ」と主張すれば、どんな場合でも通報者の権利が守られるわけではないことに注意が必要です。また、通報先や伝え方によっては、保護の対象外になることがあります。
では、どのような条件が「公益通報」と認められるのでしょうか。 【次ページ】「公益通報」と認められる4つの条件とは
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