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  • 2026/03/19 掲載

「暗号資産はやらなくても無関係ではない」金融庁が銀行グループに求める新ルール

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「うちは暗号資産ビジネスをやっていないから関係ない」──そう考える金融機関は少なくないだろう。しかし今回、金融庁が公表した監督指針・事務ガイドラインの改正案は、暗号資産を直接扱う事業者だけでなく、子会社が参入する銀行グループにも影響が及ぶ可能性を示している。暗号資産を金融商品取引法の枠組みに組み込む制度改正を背景に、金融庁は販売・説明態勢や利用者保護の観点から新たなルールを整備しようとしている。何が変わるのか、金融機関グループの実務への影響を整理する。
執筆:小達 紀治   編集:ジャーナリスト 川辺 和将

ジャーナリスト 川辺 和将

元毎日新聞記者。長野支局で政治、司法、遊軍を担当、東京本社で政治部総理官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て独立。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。自称「霞が関文学評論家」

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法改正によって銀行などの子会社でも売買が可能に
(Photo:soraneko / Shutterstock.com)

監督指針5本とガイドライン3本を改正・新設

 暗号資産は、投資商品でもあり決済手段でもあるという二面性があります。従来の日本の法律はこのうち決済の側面に注目して、電子マネーなどと同じ「資金決済法」の枠組みで暗号資産に規制をかけてきました。しかし、投資対象として存在感を高めている情勢を踏まえ、暗号資産を株式や投資信託と同じ「金融商品取引法」の枠組みに移行することが決まりました。

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金商法移行で、対応を求められる範囲が拡大する

 これに合わせて金融庁は、関連する各種ルール(罰則規定のないソフトローを含む)の改正を急いでいます。暗号資産を取り扱う事業者に対し金商法並みの厳しい規制をかけることが目的で、その一環として1月には、次の8つの文書について新たな文案をまとめて公表しました。

  • 事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係 16.暗号資産交換業者関係)
  • 事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係 17.電子決済手段等取引業関係)
  • 事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係 18.電子決済手段・暗号資産サービス仲介業者関係)※新設
  • 主要行等向けの総合的な監督指針
  • 中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針
  • 系統金融機関向けの総合的な監督指針
  • 漁協系統信用事業における総合的な監督指針
  • 保険会社向けの総合的な監督指針
 暗号資産などを直接手掛ける事業者については、上記3種類の事務ガイドラインで手当てをしています。

 加えて、そうした事業者を子会社に持つ伝統的な金融機関グループについても、5種類の監督指針の改正を通じて対応を求めています。後述するように、本体が暗号資産を取り扱っていないからといって、問題が生じた際にその責任を子会社へ転嫁することのないようけん制する趣旨が読み取れます。

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法改正によって銀行などの子会社でも売買が可能に
【次ページ】銀行向け監督指針の改正内容は
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