- 2026/04/09 掲載
アカデミアの「技術流出防止策」から読み解く、経済安全保障への示唆とは?
大野博堂の金融最前線連載第96回
93年早稲田大学卒後、NTTデータ通信(現NTTデータ)入社。金融派生商品のプライシングシステムの企画などに従事。大蔵省大臣官房総合政策課でマクロ経済分析を担当した後、2006年からNTTデータ経営研究所。経営コンサルタントとして金融政策の調査・分析に従事するほか、自治体の政策アドバイザーを務めるなど、地域公共政策も担う。著書に「金融システム監査の要点」(経済法令研究会)「金融機関のためのサイバーセキュリティとBCPの実務」「AIが変える2025年の銀行業務」など。飯能信用金庫非常勤監事。東京科学大学CUMOTサイバーセキュリティ経営戦略コース講師。宮崎県都城市市政活性化アドバイザー。
アカデミアセミナーでのイシュー
通信や半導体、医療技術をはじめ、我が国の研究機関や企業が保有する固有の技術をめぐっては、これらの研究・開発に従事する研究員などが外国の情報機関に機密情報を漏えいする事件が発生している。また、こうした技術をターゲットとする諸外国からのサイバー攻撃も増加している。今回のセミナーではまず、警視庁公安部の吉田一哉公安総務課長が登壇し、アカデミア(大学や研究機関の研究職)の分野の特性を利用した具体的な接近事例やスパイ工作の手口について紹介した。
そのうえで、吉田公安総務課長は、これまでメリットであり長所と認識されてきたアカデミアのオープンで国際的な風土を悪用されたり、つけこまれたりするなどのおそれがあると警鐘を鳴らした。
続く基調講演では、現代中国史の専門家であるグレン・ティファート氏が、米国の研究機関における研究セキュリティの現状のほか、自身が所属するフーヴァー研究所での取り組みを紹介した。
なお、フーヴァー研究所はスタンフォード大学付属の公共政策シンクタンクであり、ライス元国務長官が代表を務めている。
ティファート氏は、フーヴァー研究所に設置されたSECUREプログラムを通じ、民間企業や研究セキュリティを意識し始めたばかりの大学を支援することで、米国アカデミアにおける研究セキュリティの底上げを図るミッションに従事している。 【次ページ】長らく続いた春の終焉
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