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- 2026/04/08 掲載
2026年の日本株「最大のリスクシナリオ」とは?植田総裁の“不気味な”発言が示すもの
【連載】エコノミスト藤代宏一の「金融政策徹底解剖」
2005年、第一生命保険入社。2008年、みずほ証券出向。2010年、第一生命経済研究所出向を経て、内閣府経済財政分析担当へ出向し、2年間「経済財政白書」の執筆、「月例経済報告」の作成を担当する。2012年に帰任し、その後第一生命保険より転籍。2015年4月より現職。2018年、参議院予算委員会調査室客員調査員を兼務。早稲田大学大学院経営管理研究科修了(MBA、ファイナンス専修)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。担当領域は、金融市場全般。
なぜインフレ加速で“日本株”は急伸?追い風となったカラクリ
日本株は2022年以降、インフレ率が加速し、名目GDPが拡大基調を強めるもとで、急激な上昇を遂げてきた。消費者物価上昇率が加速したきっかけは、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う資源価格急騰であった。その後は賃金上昇率の高まり、すなわち労働コストの増加を価格転嫁する動きが強まることで、賃金と物価の相互刺激が発生し、それが現在に至るまで継続している。この間、円安によって輸入物価は高止まりしている。本来、食料やエネルギー価格の上昇は短期的には物価を押し上げるものの、交易条件の悪化を通じて企業収益を圧迫することから、時差を伴って国内経済にデフレ的な圧力を同時にもたらす。
しかしながら、2022年以降、政府はコロナによる経済の落ち込みを下支えする意味もあり、手厚い政策支援を実施した。電気・ガス、ガソリン代の補助に加え、定額減税や住民税非課税世帯への給付金がそれにあたる。昨年にはガソリンの旧暫定税率も廃止された。
こうした政策支援によって、家計の購買力が維持されたことで企業の価格転嫁は容易となり、企業収益が打撃を免れたことから、賃金上昇率も加速した。このような環境下、名目値で評価される株価はインフレがそのまま追い風となった。
原油高と財政支援が市場に与える新たな影響とは
こうした図式は、今回の原油高にも当てはまりそうだ。高市政権は少なくとも短期的には原油高を積極財政で飲み込む構えをみせている。ガソリン代の(石油元売り各社への)補助再開に加え、今後上昇が予想される電気ガス代への補助再開も意識される。仮にそうなれば、原油高の価格転嫁が進むことで、企業収益の圧迫は和らぎ、株価は上昇する。
株式市場からの視点では、政府の支援を背景にインフレが加速・持続することは望ましい事象である。 【次ページ】日銀の見解に“ある変化”が…2026年の株価を左右する要素とは
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