- 2026/05/04 掲載
米CLARITY法の審議本格化、ビットコインなど暗号通貨の法整備加速
ステーブルコイン利回りの既存金融機関とWeb3業界の対立焦点
これにより、証券取引委員会(SEC)との間で長年続いてきた管轄権争いが整理され、暗号資産市場に制度的な明確さをもたらす。上院での審議スケジュールは、2026年5月に銀行委員会での実質的な最終調整の場であるマークアップを経て、6月から7月に本会議で採決されるプロセスとなっている。
上院審議における最大の争点は、ステーブルコインの利回りに関する規制である。銀行業界は、ステーブルコインへの利息付与が預金流出や貸出能力の低下を招くと強く懸念し、規制強化を主張してきた。この対立を受け、2026年3月にまとめられた超党派の妥協案では、ステーブルコインを単に保有することで得られる受動的な利回りの提供を禁止する条項が盛り込まれた。
一方で、決済やステーキングといったプラットフォームの利用に応じたアクティビティベースの報酬提供は維持される。この妥協案は、銀行の預金保護と暗号資産業界のインセンティブ維持の双方に配慮した現実的な着地点となっている。
本法案の成立による規制の明確化は、暗号資産市場における機関投資家の本格的な参入障壁を下げる要因となる。これまで、法的・規制的な不透明さが大手金融機関の参入を妨げていたが、カストディ規制の整備やルールの明文化により、数兆ドル規模の資本が市場へ流入する環境が整う。
また、現在のビットコイン市場は、現物需要の弱さを示すCoinbase Premium Indexの低迷など、米国における機関や現物の資金流入が停滞している状態にある。流動性が回復する一方で信頼が未回復な市場環境において、CLARITY法によるルールの確定は不確実性というリスクプレミアムを剥落させ、市場構造を先物主導から制度と実需に支えられた構造へと転換させる制度改革となる。
さらに、米国の金融規制全般においても新たな動きが生じている。スコット・ベッセント財務長官は、銀行に対して顧客の市民権情報の収集を義務付ける大統領令を準備中であることを明らかにした。これは既存の顧客確認規則を強化し、身元不明の外国人による銀行口座開設を防ぐための措置である。
こうした周辺規制の厳格化と並行して、CLARITY法による暗号資産市場の法的位置付けの確立が進められており、米国の金融システム全体が新たな枠組みの構築に向けた移行期にある。
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