• 2026/03/19 掲載

ホワイトハウスでの暗号資産業界と銀行の会合、ステーブルコイン利回りで合意至らず

CLARITY法案の成立に向けた妥協案提示も、銀行側が難色を示す

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米ホワイトハウスで開かれた暗号資産業界と銀行業界による会合は、ステーブルコインの利回り付与を巡る議論が平行線をたどり、合意に至らないまま終了した。米国議会で審議中の暗号資産市場構造法案(CLARITY法案)の成立に向けた妥協案が提示されたものの、銀行側が難色を示した形となる。トランプ大統領は銀行側の対応を批判しており、法案の年内成立の先行きは不透明となっている。
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(Photo/Shutterstock.com/Alexanderstock23)
 2026年3月に米ホワイトハウスで開催された暗号資産業界と銀行業界の代表者による会合は、ステーブルコインに対する利回り付与の扱いについて両者が譲らず、合意に至らないまま終了した。この会合は、米国議会の上院で審議が続いている暗号資産市場構造法案であるCLARITY法案の成立に向けた技術的な論点を整理し、歩み寄りを模索する目的で開かれたものである。議論の最大の焦点となったのは、ステーブルコインの発行者や暗号資産仲介業者が利用者に提供する利回りや報酬の扱いである。

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米暗号資産VS銀行・ステーブルコインの利回りを巡る対立(図版:ビジネス+IT)

 ホワイトハウスは事態の打開を図るため、個人間決済などの限定的なケースに限って利回り付与を認め、未使用の残高には認めないという妥協案を提示した。コインベースやリップルなどの幹部が参加した暗号資産業界側は、この枠組みをおおむね受け入れる姿勢を示した。同業界は、デジタルドルに対するリターンは銀行預金とは異なり、利用者が銀行の仲介なしに利益を得られるべきだと主張している。

 しかし、米国銀行協会をはじめとする銀行業界は、このホワイトハウスの妥協案を明確に拒否した。銀行側の懸念の背景には、ステーブルコインへの利回り付与が容認されれば、預金者からの多額の資金流出を招き、結果として銀行の融資能力が低下するという強い危機感がある。スタンダードチャータードの試算によれば、ステーブルコインによって2028年末までに米国の銀行から約5000億ドルの預金が流出する可能性があるとされており、銀行側はより厳格な制限を求めている状況である。

 また、銀行業界は議会での法案阻止に動くだけでなく、暗号資産企業が連邦法に基づく信託銀行の認可を取得する動きにも反対しており、両業界の対立は複数の領域に及んでいる。ホワイトハウスは月末までに実務的な前進を示すよう参加者に求めているが、上院での法案通過には慎重な姿勢を崩さない民主党議員の支持も不可欠であり、調整は難航が予想される。

 トランプ大統領は自身のソーシャルメディア上で銀行業界の姿勢を名指しで批判し、政権の強力な暗号資産政策を阻害することは許さないとの声明を発表した。両業界の意見の隔たりが埋まらない中、CLARITY法案が年内に議会を通過するかどうかは極めて不透明な情勢となっている。

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