- 2026/09/08 06:30 掲載
メガバン過去最高益でも地銀は「PBR1倍割れ…」、生き残りを分ける“2つの条件”(2/4)
株主構成が激変…地銀の8割が上場する“プライム市場”の要求
一方、我が国の資本市場では、持続的な企業価値向上に向けた経営改革を促すため、コーポレートガバナンス(CG:企業統治)改革や東京証券取引所(東証)改革といった資本市場改革が進められている。具体的に、取締役会の機能強化や政策保有株(取引関係の維持などを目的に保有する株式)の縮減、上場子会社数(親子上場)の削減、情報開示の充実、市場区分の見直しといった取り組みが行われてきた。さらに、2023年には、東証が上場企業に対して「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」や「株主との対話の推進と開示」を要請し、2025年には、東証が、全上場企業を対象に、株主や投資者との関係構築に向けた情報提供体制(IR:Investor Relations)の整備を義務化するなど、より実効的な取り組みが求められるようになっている。
こうした資本市場改革の進展もあって、我が国の上場企業の株主構成は、取引関係のある金融機関や事業会社の割合が低下する一方、外国法人や投資信託などの割合が上昇する傾向にある。特に、近年は、投資先企業に対して資本・経営戦略の提言などを積極的に行うアクティビスト投資家などの活動も活発化している。こうした株主の変化もあって、上場企業においては、資本市場を意識した経営が重要となっている。
地銀を見れば、大半が株式市場に上場し、その8割はプライム市場に上場している(図表3)。プライム市場は、「グローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場」というコンセプトの市場であり、多くの地銀には質の高い投資家対応や資本市場を意識した経営が求められているといえる。
ROE8%・PBR1倍に届かない…地銀の残酷な現在地
もっとも、地銀における取り組みは道半ばといえる。東証は、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請において、「ROE(自己資本利益率)8%」、「PBR1倍」といった目線を示しているが、「金利のある世界」の到来によって銀行セクター全体として収益性や株価が改善しているにもかかわらず、大半の地銀は依然としてROEは8%を下回り、PBRも1倍に届いていない(図表4)。2026年3月末時点で、プライム市場ではPBRが0.5倍を割れている企業は2%しかないが、地銀では2割が0.5倍割れとなっている。
銀行は、預金者保護や自己資本規制などの関係で、高リスク・高リターンのビジネスやレバレッジを利かせた事業拡大などは難しく、業種柄、ROEやPBRが低くなる傾向はあるものの、地銀は、上場企業として、資本市場を意識した、ROE・PBR改善などに向けた経営改革が急務となっている(図表5)。
では、この現在地を変えるために、地銀は何から手をつければ良いのか。ここから先は、資本市場からの評価を取り戻すために欠かせない、2つの条件を見ていく。 【次ページ】生き残りの条件1:地銀のIR、投資家に選ばれない弱点とは
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