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- 2026/02/18 掲載
もうすぐ預金争奪戦に脱落者が…「地銀サバイバル」の勝者・敗者を決める“3大展望”
金融リサーチセンター主任研究員。京都大学理学部卒、三井住友銀行入行。日本総合研究所調査部マクロ経済研究センター、日興リサーチセンター理事長室、三井住友銀行リスク統括部等を経て、現職。注力テーマは、金融機関経営、地域金融、金融政策。
「金利のある世界」への回帰に伴うビジネス環境の変化
2025年の地方銀行(地銀)のビジネス環境を振り返ると、日本銀行(日銀)の段階的な利上げに伴って「金利のある世界」への回帰が進み、中核の預貸ビジネスの収益性(預貸利ざや=貸出金利回り ― 預金等利回り)が改善した。また、銀行の資産運用(余資運用)の収益環境も改善しており、日銀当座預金の超過準備に対する付利に加えて、国債利回りも上昇し、国債保有を増やす動きもみられる。上場地銀の2025年4~9月期決算をみると、銀行の本業からの収益であるコア業務純益は前年同期比3割増加した。
一方、預貸ビジネスの収益改善を受けて、多くの銀行が貸出を積極化しており、その原資となる預金の獲得を狙ったキャンペーンも活発化するなど、預貸ビジネスの競争はむしろ激化した。その結果、銀行間の収益力などの格差が拡大しており、小規模な地銀を中心に、預貸利ざやの改善の遅れや、貸出の伸び悩み、預金の減少などがみられる(図表1)。
さらに、銀行サービスのデジタル化や多様化も加速した。たとえば、ネットバンクだけでなく、都銀・地銀においても、デジタルサービスを活用して、広域で預金獲得を狙う取り組みが増加した。預金獲得競争の活発化によって、預金移動のインセンティブが高まり、デジタルサービスの普及を促す形となっている。
加えて、他の金融機関との差別化のため、非金融サービスの重要性も高まっている。個人ビジネスでは、バンキングアプリの多機能化など、法人ビジネスでは、コンサルティングなどの非金融サービスによる経営課題解決の支援(本業支援)など、サービスの付加価値を高める動きがみられる。
他方、金利上昇に伴って、地銀が保有する国債などの評価損の増加が問題となっている。多くの地方銀行は、自己資本比率規制のうえでは、満期保有目的とすれば国債などの時価評価は不要ながら、利回りの低い有価証券の保有が収益改善の足かせになるほか、多額の評価損があることでリスクを取った経営判断が難しくなる可能性もある。
ここからは、2026年の展望を見ていく。 【次ページ】展望1:日銀の追加利上げ…深刻化するある問題
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