- 2026/09/08 06:30 掲載
メガバン過去最高益でも地銀は「PBR1倍割れ…」、生き残りを分ける“2つの条件”(4/4)
生き残りの条件2:「守り」から「攻め」へ、地銀の大転換
現状、多くの地銀は収益力や資本効率に課題があり、収益力強化に向けた成長戦略の推進が急務となっている。時価総額の規模別にROEを見ると、規模が小さな地銀ほどROEの水準は低く、2023年以降の改善幅も小幅であり、銀行間の格差が広がっている(図表7)。低金利環境では、トップライン収益の拡大が難しく、コスト削減による「守り」の戦略が重要であったが、「金利のある世界」では、顧客・取引の獲得や収益の強化に向けて、サービスの付加価値向上や多様化といった、「攻め」の戦略の重要性が高まっている。
地銀は“攻めの投資”に踏み切れるか、要請を追い風に変える道
「攻め」の戦略の推進では、人材・システムなどへの投資や事業多角化に向けたM&A(企業の合併・買収)などの成長投資の強化が不可欠となる。資本市場を意識した経営を行ううえでは、増配・自社株買いなどの株主還元の拡充も重要であるが、持続的な成長を実現するために、足元の収益環境の改善も生かして、成長投資を強化していく必要がある。近年は、デジタル化支援などの非金融分野のビジネスを展開する地銀は増えているが、社内に人材・ノウハウが限られることも多く、専門企業などを買収して事業多角化を図る事例も出てきている。
今後、地銀は、IRを通じて足元の経営課題や成長投資の必要性などを投資家と共有したうえで、積極的に成長投資を行い、競争力・収益性の強化につなげていく必要がある。場合によっては、増資などで資本市場からの資金調達も行い、成長分野に投じていくことも選択肢となるだろう。
ここまで見てきたとおり、資本市場改革やビジネス環境の変化を受けて、地銀には、資本市場を意識した経営改革や投資家対応の重要性が高まっている。地銀においては、中長期的な企業価値向上に向けて、資本市場からの要請も追い風にして、経営改革を加速させることが求められる。
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