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- 2026/04/18 掲載
日本とEUの防衛産業協力、ブリュッセルで初会合、ドローンAI活用で連携へ
ドローンやAIなどの軍民両用の連携や、防衛装備品の供給網強化
会合には日本政府を代表して井野俊郎経済産業副大臣が出席し、産業界からはSUBARU、日立製作所、三菱電機などの主要企業が参加した。EU側からはアンドリュス・クビリウス欧州委員(防衛・宇宙担当)が同席し、スウェーデンの防衛大手サーブやフランスのタレスといったトップ企業が名を連ねた。日欧の政府高官と防衛関連企業が直接対話を行う枠組みとして機能し、産業間協力の具体的な方向性を協議した。
今回の協議で最大の焦点となったのが、デュアルユースと呼ばれる軍民両用技術の取り扱いだ。ドローン、人工知能(AI)、量子技術、そして宇宙空間を活用した通信や観測技術などの先端分野は、民間市場での技術革新が著しい一方で、現代の防衛力に直結する中核技術となっている。双方はこれらの技術領域における連携の領域を検討し、研究開発の段階から協力体制を築くことで技術的優位性を確保する。
さらに、防衛装備品を構成するサプライチェーンの強化も主要な議題に据えられた。紛争時や世界的危機において、特定の国や地域に依存した部品調達は深刻なリスクとなる。日本とEUの企業が協力して部品や素材の調達網を相互補完し、多角化させることで、有事の際にも途絶えにくい安定した生産体制と維持整備体制を確立する方針を確認した。
日本と欧州諸国はこれまで、共通の同盟国である米国を中心とした安全保障体制に依存してきたが、米国における政権交代や政策転換のリスクを背景に、独自の防衛協力ネットワークを構築する動きを強めている。日本はすでに英国およびイタリアと次期戦闘機の共同開発プログラム(GCAP)を進めており、欧州との連携基盤を拡大している。今回の対話の立ち上げは、日EU間で合意された安全保障・防衛パートナーシップに基づく具体的な行動の第一歩となる。今後はこの枠組みを活用し、情報セキュリティーの確保に向けたルールの整備や、具体的な共同プロジェクトの立ち上げに向けた協議を加速させる。
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