- 2026/06/05 掲載
カルビー・LIXILが悲鳴…ナフサ不足は「騒ぎすぎ」なのか、裏に潜む“構造的問題”
連載:小倉健一の最新ビジネストレンド
1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長。現在、イトモス研究所所長。著書に『週刊誌がなくなる日』など。
ナフサ不足「騒ぎすぎ」は本当なのか
マスコミが騒いでいるだけだ(もしくは、マスコミが騒いでいるせいでナフサが不足しているのだ)──そう言いたい気持ちは、わからなくもない。イラン情勢によって始まった「ナフサショック」を巡っては、以下のような意見も見られる。
「ナフサは不足していない。不安を広げたがるメディアやSNSが問題を必要以上に大きく見せているだけだ」
政府は4カ月分の在庫を確保したと言い、高市首相も赤沢経産相も「日本全体として必要量は確保できている」と繰り返している点からも、一見合理性がある。
また、マクロ統計上でも、官邸のロジックは極めて明快だ。国家備蓄を放出し、米国産原油への代替調達のめどを5月に約6割、6月に約7割以上と積み上げた。計算上は、ナフサは足りているのである。ならば騒いでいるのは扇情的な報道のせいだ、パニックになった人々が不合理な買いだめをしているだけだ、という結論は一見自然に見えるかもしれない。報道がなければ買いだめも起きず、流通は正常に機能していた、という話になる。
この主張について、3つの点から検証してみたい。
【次ページ】在庫アリでも「現場が止まる」知られざる理由
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