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- 2025/07/24 掲載
ソニーとは何が違った?黒字なのに…パナソニックが「人切りスパイラル」に陥った理由
経済、不動産分野のライター。小売・飲食を中心とした企業分析記事や、都市開発、不動産市況に関する記事を手がける。理系の会社員だったが、ライター業に専念するため独立した。趣味で簿記・ファイナンシャルプランナーの資格を取得する。
これまでに10万人以上を削減
今回、早期退職の内容が明らかとなったパナソニックは、家電や空調などを手がける事業会社だ。希望退職の募集内容を見ると、他社のリストラと同様に人件費の高い中高年を狙っていることは明らかである。もっとも、パナソニック ホールディングス全体では1万人の削減を計画しており、これは24年3月期末における従業員数20万7548人の約5%に相当する。同HDの人員削減は初のことではない。ITバブル崩壊後の2001年には、約1万3000人の早期退職を実施。リーマンショック後の2009年にも1万5000人の削減計画を実施した。
他社への事業売却を含めると、すでに10万人以上を削減していることになる。2009年3月期末時点で29.2万人だった従業員数は三洋電機の子会社化により、翌年度末時点で38.5万人に膨らんだ。三洋電機は当時、リチウムイオン電池でシェアトップの座にあり、パナソニックは三洋の太陽電池と蓄電池の技術を取り込む狙いがあった。
しかし、11年には重複する三洋の白物家電事業を中国のハイアールに売却。13年度にはプラズマテレビや個人向けスマホからも撤退し、2015年3月期末時点の従業員数は25.4万人となった。その後も太陽電池の生産や半導体事業から撤退。パナソニック液晶ディスプレーも売却し、前述の通り25年3月期末時点で20.8万人となった。三洋電機の子会社化前を起点とすれば8万人超、3割弱の人員を削減したことになる。
直近の業績は黒字で利益率も改善しているが…
追加の人員削減を進める計画だが、直近の業績は黒字だ。パナソニックHDの25年3月期売上高は8兆4,582億円(前期8兆4,964億円)、営業利益は4,265億円(同3,610億円)であり、利益率は改善している。各セグメントの内訳は次の通りである。
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