- 2026/06/04 掲載
ウーバー、自動運転を「作る側」から「支える側」へ…データ収集車500台が示す新戦略
ウーバー、自動運転モデル訓練向けデータ収集車両500台の配備計画を発表
米ウーバー・テクノロジーズが公開したデータ収集用のプロトタイプ車両は、韓国現代自動車の電気自動車Ioniq 5をベースに多数のセンサーを後付けした設計を採用している。車両の改装はカスタム車両開発のラウシュ・パフォーマンスが担い、14基のカメラ、8基のソリッドステートLiDAR、9基のレーダーを備える。これらのセンサーから取得するデータのリアルタイム処理には、米エヌビディアの車載システムオンチップであるDual Drive Thorを採用した。同社は2026年中にこの専用車両を世界規模で500台配備する計画であり、最初の50台は夏までに公道での稼働を開始する。これにより、月間最大200万マイルの高精度なマルチセンサーデータを取得する体制が整う。取得した走行データは、今年初頭に設立されたデータ収集と分析を担う新部門であるAV Labsが管理する。都市部における予測困難で稀な事象を抽出し、モデル学習の精度を高めるための高品質なデータセットへ加工する。そしてウェイモやアブライド、中国ウィーライドをはじめとする30社以上の提携企業に提供するという。
ウーバーは2020年に自社の自動運転開発部門を売却して以来、自社によるハードウェア開発から手を引いていた。今回のデータ収集車両の配備は、パートナー企業の協力を得て自社主導で展開する売却後初の事例となる。この動きは、ウーバーが自ら自動運転ソフトウェアを構築する競争から離脱し、自動運転技術の商用化に不可欠な実世界の走行データを提供する事業へ軸足を移したことを示している。
さらにウーバーはデータの供給にとどまらず、今年2月に立ち上げたUber Autonomous Solutions を通じて、自動運転車両の実運用を支援するインフラ整備も進めている。ロボタクシーや配送ロボットの日常的な運行管理や動的マッピング技術などを包括的に提供している。実際の運用面では、スペインのマドリードにおいてウィーライドの自動運転車両を用いたロボタクシーサービスの試験運用を年内に開始するほか、ニューロのシステムを搭載したルーシッドの電気自動車を将来的に導入する契約を結ぶなど、特定の企業に依存しない形で自動運転エコシステムの拡大を図っている。
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