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  • 2023/04/17 掲載

オンライン決済Stripeはなぜ強い? OpenAIなど「AIスタートアップ」が採用するワケ

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ストライプ(Stripe )はグローバルな決済処理業者として、一定のシェアを占める存在だ。サービスの性質上なかなか表面化しづらいStripeの戦略とは何か? 米Stripe CRO(Chief Revenue Officer)のマイク・クレイヴィル(Mike Clayville)氏、ストライプジャパンの成長・営業戦略分野担当代表取締役 平賀 充氏がグローバルと日本における直近のトレンドについて解説した。

執筆:モバイル決済ジャーナリスト/ITジャーナリスト 鈴木 淳也

執筆:モバイル決済ジャーナリスト/ITジャーナリスト 鈴木 淳也

国内SIer、アスキー(現KADOKAWA)、@IT(現アイティメディア)を経て2002年の渡米を機に独立。以後フリーランスとしてシリコンバレーのIT情報発信を行う。現在は「NFCとモバイル決済」を中心に世界中の事例やトレンド取材を続けている。近著に「決済の黒船 Apple Pay(日経BP刊/16年)」がある。

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ストライプジャパンの入り口付近に掲げられたスティッチによるロゴのデザイン
(出典:筆者提供)

Stripeはどのようにグローバルカンパニーになったのか?

 ストライプ(Stripe)は2009年創業の公開企業で、現在は米サウス・サンフランシスコに本社を置いている。従来、インターネット上のサービスで決済機能を実装する場合、カード会社との交渉からセキュリティー対策まで非常に煩雑な対応を要求されていた。

 この状況に対し、Stripeは「サービスのプログラム内にわずか数行のコードを追加するだけで決済機能が利用可能になる」というサービスを提供。そのシンプルさが評価され、スタートアップ企業を中心に利用が一気に拡大していったという背景がある。

 その後も請求書関連業務やビジネスの立ち上げ支援といった企業の足回りをカバーする機能拡張を続け、日本には2016年に現地法人を設立して本格進出を開始している。サービスの性質上、Stripeの存在はあくまで裏方であり、同社の仕組みを利用してサービスを提供している企業以外のユーザーからはあまり認識されていないのが実際だ。

 ただ、ユーザーが普段利用しているサービスで決済を行う場面において実はStripeを利用していたという例は少なくなく、たとえば最近ではイーロン・マスク(Elon Musk)氏の買収によって話題となったTwitterのサブスクリプションサービス「Blue」の決済機能はStripeが提供している。

日本でのスタートアップの盛り上がりは大きなチャンス

 Stripeのマイク・クレイヴィル氏は昨今の状況について「世界的に景気後退局面とはいわれているものの、2022年にStripeを通じて行われた決済金額は8,170億ドル(約107兆円)で前年比26%の増加、新規ユーザー企業は19%増加している。厳しいといいつつも、各企業がコストを抑えつついかに売り上げを出すかということへの表れともいえる」と説明した。

 さらにクレイヴィル氏は日本について以下のように言及した。

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米Stripe
CRO
マイク・クレイヴィル氏

「日本に目を向けると、eコマースの市場としては世界で4番目の規模でありながら、未だ小売の売り上げのうちオンラインで行われているものは9%に過ぎず、非常に大きな伸びしろがあります。日本では岸田首相が今後5年間でスタートアップに対する投資を10倍にすることを表明しているが、スタートアップにとってStripeの技術は活用の場面が多く、チャンスにつながります」

 前述のようにStripeの利用が広まったのはスタートアップでの評価による部分が大きく、実際に現在も顧客の8割ほどはこうしたスタートアップを中心とした中小企業だが、大手企業での活用事例が増えているのも確かだ。

 クレイヴィル氏は例として、トヨタでの修理工場向けを想定したマーケットプレイスでの利用のほか、ANAのロイヤルティプログラム、DeNAのライブストリーミングやゲーム、健康食品のベースフードでの活用、そしてSmartHRでの事例の数々を挙げている。

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世界中でも大手での活用事例が増えている。これは一例だが、たとえばAmazonとは決済サービス提供で10年以上のパートナーシップを組んでおり、つい先日には欧米圏の決済をほぼStripeで一本化することを表明した
(出典:ストライプジャパン報道発表)

 当然、諸般の事情で公開されていない事例も多いと思われるが、大企業であっても用途に応じてStripeの機能をうまく使い分けてビジネスを展開するのが当たり前となりつつある。

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日本の大企業での活用事例
(出典:ストライプジャパン報道発表)
【次ページ】OpenAIなど「AIスタートアップ」に利用されるワケ

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