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  • 2024/03/14 掲載

確定申告のデジタル化は進んだ? 政府が推進する「国税DX」とは

FINOLABコラム

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今年も確定申告のシーズンがめぐってきており、令和6年(2024年)2月16日から3月15日にわたって、令和5年分(2023年)の収入に対する所得税を申告することになる。従業員やビジネスパーソンの多くは所属企業が年末調整を担うが、副業があったり、医療費、住宅ローン、有価証券売買などの控除を受けたりする人は確定申告が必要だ。実に2000万件規模の申告件数がこの時期に集中することになるが、確定申告のデジタル化はどの程度進んでいるのか? 本稿では、確定申告関連のソフトの進化など最近の状況を整理するとともに、税務関連業務の “国税DX”が目指す方向について解説する。
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確定申告の電子対応とDXの進展とは?
(Photo/Shutterstock.com)

税務関連の「デジタル化」はどこまで進展した?

 2020年にから資本金1億円超の大法人は電子申告が義務づけられており、中小法人についても税理士を経由した申告について電子化が進んでいることもあり、法人税申告については、令和4年(2022年)分で既に9割を超える水準に達している。

 一方で個人の所得税申告についてみてみると、平成17年(2005年)の開始以来ずっと利用が伸び悩んでいたものの、当初のe-Tax申告控除に始まり、スマートフォン(スマホ)やマイナンバー対応などさまざまな利用促進策をとってきた。これにより、16年たった令和2年(2020年)分で申告全体の半分を上回り、令和4年(2022年)分の申告については65.7%とほぼ3分の2に達するまでになった。

 このほど開始された確定申告においては令和5年(2023年)分の所得について申告を行うことになるが、電子化の目標が7割に設定されている。

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税務申告のオンライン利用率の推移
(出典:国税庁 報道発表

 さらに、納税部分に目を向けると、キャッシュレス納付の割合は令和4年(2022年)分について35.9%という状況であり、政府のキャッシュレス推進施策に対応して増加しているものの、まだ不十分という印象もみられる。

所得税申告にみる変化とは?

 国税庁のWebサイトにおける『確定申告書等作成コーナー』や各種会計ソフトを利用して自宅から納税者本人によりe-Taxで申告書を提出したのは67万人だ。この値は令和3年(2021年)分の約1.4倍、平成30年(2018年)分の約5倍に増加し、確定申告会場で申告書を作成・提出した人数(32万人)の2倍を超えた。この点は、電子申告が定着してきたことを象徴する出来事と言える。

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自宅からe-Taxで申告書を提出した人数の推移
(出典:国税庁 報道発表

 その中でも、自宅からスマホを使ってe-Taxで申告した人は30万人で、令和3年(2021年)分から約1.7倍に増加している。平成30年(2018年)に始まった電子申告のスマホ対応が個人の電子申告のハードルを下げることに寄与している。自宅から納税者本人によりe-Taxで申告した約半数が「スマホ申告」であり、その利用が加速していることがわかる。

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自宅からスマホを使ってe-Taxで申告した人数の推移
(出典:国税庁 報道発表

 また、自宅から納税者本人によりe-Taxで申告書を提出した67万人のうち、マイナンバーカード方式を利用された方は46万人(約7割)で、令和3年(2021年)分の約1.7倍、平成30年分の約8倍に増加している。

 マイナンバーカードを利用してスマホから申告した方は22万人で、令和3年分(2021年)分の約2倍、令和元年(2019年)分の約40倍に増加した点はスマホとマイナンバーへの対応が、個人の申告行動に変化をもたらす結果となっていることがうかがえる。

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自宅からのe-Tax申告者のうち、 マイナンバーカードを利用した人数の推移
(出典:国税庁 報道発表
【次ページ】「キャッシュレス納付の状況」「国税庁のe-Tax利用拡大施策」

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