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- 2025/03/24 掲載
市場成長「驚異の年32%超」、予備校は不要に…ベネッセら提供「AIチューター」の凄み
連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質
1940年、東京に生まれる。 1963年、東京大学工学部卒業。 1964年、大蔵省入省。 1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。 一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを歴任。一橋大学名誉教授。
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拡大するオンライン講義は「個人対応」が難しい
インターネットの普及に伴い、教育・学習の方法が大きく変化した。まず、オンライン講義が拡大した。たとえばUdemyは日本を含めた世界で計20万以上のオンラインコースを開講している。しかしこれは、大学の大教室で行う講義をオンラインでやっているのと同じだ。マス講義であり、次の点で、個人個人の受講生の要求に合わせた講義ではない。
第1に、カリキュラムを個人個人の事情に合わせて組めない。オンライン講義でも、適切にコースを選択することである程度の対応は可能だが限度がある。
第2に、オンライン講義でも質問は不可能ではないが、ごく限定的にしか行えない。家庭教師のように懇切丁寧な指導は受けられない。
日本は特に「AIチューター」が必要
ところがここ数年、生成AIの発展に伴い、これまでは不可能であった教育が可能になりつつある。受講生の質問に柔軟に答えたり、受講生個人個人の必要に応じて教育内容を変えたりといった「チューター教育」が可能になっているのだ。AIを用いたチューター教育の必要性は、日本の場合に特に高い。それは、受験という特殊な問題があるからだ。受験は他国でもある問題だが、日本は韓国と並んでこの問題が特に深刻だ。
とりわけ問題なのが中学受験だ。難関校では、小学校の学習指導要領から離れた問題が出る。だから、中学受験を学校の勉強だけでクリアするのは難しいと言われている。本来であれば、この問題にメスが入れられるべきだが、個々の受験生は、現状に対応せざるを得ない。
そこで問題になるのが、塾での勉強に多額のコストがかかることだ。これを解決する手段としてAIによるチューター教育が求められる。 【次ページ】市場成長率「年32%超」、AwakAppも提供
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