- 2025/11/13 掲載
日本のマンションで「公用語」が中国語に?移住者増で今後あり得る「ヤバすぎる現実」(3/3)
もはやタワマンは日本人に「高すぎる」?
今のところ上述のようなマンションが現実に存在する、という話は聞かないが、今後、現実化してもまったくおかしくはない。特に、冒頭で紹介した晴海フラッグなどは日に日に中国人オーナーのプレゼンスが高まっているように筆者には思える。新築分譲時に比べると中古価格は2倍程度にまで値上がりして、今や普通の会社員では買えないレベルだ。
この値上がりにより「売りたい」と考える人も増えているようだ。そうやって売り出された住戸を、中国から移住してきた富裕層が自己の居住用や値上がり目的の投資用、あるいは違法民泊などで収益を得るために購入する。
やがてマンション内の中国人居住者の比率が高まり、全体の4分の3を超えると‥先ほどの仮定の話が実現してしまうことが、論理的には可能になる。そして、現状、日本の法律ではそれを防ぐことはできない。
日中でここまで違う「タワマンへの見方」とは
外国人の不動産取得については「制限すべき」という議論が見られるようになったが、日本はWTO(世界貿易機関)との約定で、そういった規制をかけるには困難な立場にある。ただ、これから物件を探す際、今回見てきたような話が起こり得る場所はきれば避けたい、という人もいるだろう。その場合は、中国富裕層が好む傾向のある物件に住まないという個人レベルでの回避策になる。
たとえば、冒頭に挙げた晴海フラッグは「東京都中央区晴海5丁目」。そこは陸地になってから100年近くが経過するが、古くから東京を知る人にとってはいまだに「埋立地」とカテゴライズされる場所だ。
いわゆる「湾岸エリア」と呼ばれる中央区の「勝どき」や江東区の「豊洲」や「有明」は、一般的に「埋立地」イメージがある。陸地になってから100年以上の年月を経過した中央区の「佃」や「月島」は、まだしも「江戸の一部」的に捉えられる。
このエリアにはタワマンを開発しやすいため、現在は「林立状態」にある。
拙著『限界のタワーマンション』(集英社新書)でも書いたが、それらのタワマンに住んでいるのは大学入学時か就職時に上京して、そこそこの経済的な「成功」を得た人々が多い。逆に何代にも渡って東京に生活拠点を置いてきた、いわゆる「トラッド」な富裕層にはあまり好まれないのが「埋立地」であり、造形的にも好ましくないと見なされがちなタワマンという住形態である。
ただ、中国の風水的に見ると、日本とはやや異なった価値観があるようだ。
たとえば、「水辺に住む」というのは悪くないらしい。中国大陸では最近こそ気象の変化で水害も見られるが、古代から大河は物流の要であり、富を運んでくる存在だ。そのあたり、地震や台風に悩まされながら生きてきた日本人とは違う。
そう考えると、今後も湾岸のタワマンには中華圏の人々にとって人気の物件となり続けるであろう。
中国は今、経済的にも政治的にも激動期にある。「爆買い」という言葉の通り、購買力の高い同国の富裕層にとって、湾岸エリアのタワマンが「安くてお買い得」な住まいに見えていても不思議はない。
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