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- 2025/11/06 掲載
楽天・ドコモに迫れるか?三井住友カードが「Vポイント事業買収」で狙う“真の目的”
ネットニュース編集部で編集者兼記者、デスクを経て2005年6月から独立して現在に至る。専門はモバイル、決済、デジカメ、セキュリティなど。発表会取材、インタビュー取材、海外取材、製品レビューまで幅広く手がける。
「Tポイント」と「Vポイント」の歴史
これまでVポイントを運営していたCCCMKホールディングスは、2026年3月末までに三井住友カードが筆頭株主となるよう資本を再編し、社名を「Vポイントマーケティング」に変更する。これにより同社は三井住友カードの子会社となる。Tポイントといえば、もともとはTSUTAYAのレンタル会員証として発行されたTカードがその原型だ。1983年に発行を開始し、TSUTAYAで使われてきたが、その後の2003年10月に共通ポイントとしてTポイントがスタート。提携企業が順次拡大してそれぞれがTカードを発行していた。10年後の2012年にはTカードの累計発行枚数は1億3000万枚を突破していた。
現在、共通ポイントは楽天ポイント、dポイント、Pontaポイントといったものがあり市民権を得ているが、Tポイントはその先駆けといえる。Tカードのスタートから考えると40年以上、Tポイントから考えても20年以上の歴史がある。
それに対するVポイントは、三井住友カードの利用者に対するポイントサービスだった。1982年に始まったポイントサービス「住友ワールドプレゼント」がその大元だ。当時は住友クレジットサービスがカード事業を展開しており、その利用者向けサービスという位置づけだ。2001年4月には三井住友銀行が誕生して、住友クレジットサービスも三井住友カードに改称。
その後も長らく継続してワールドプレゼントは同社カードユーザー向けに提供されてきたが、三井住友銀行もSMBCポイントを提供しており、グループ内のポイントもバラバラで、それを統合したのが2020年6月のことだ。グループ内の共通ポイントとして誕生したのがVポイントだった。プロミスのSMBCコンシューマーファイナンスや三井住友銀行でも共通のポイントとして位置づけられた。
実は2001年の三井住友カード誕生の頃、ワールドプレゼントのポイントをICカードに蓄積してVポイント加盟店で代金の支払いに充当できる、という触れ込みの「Vポイント」サービスが開始されている。このサービスは2001年から2009年までに提供されたものだが、当時はあまり使われなかったようだ。三井住友カードによれば、名称を含めて現在のVポイントとの関連はないという。
いずれにしても三井住友カードは2000年代からTポイントとのポイント交換には対応しており、2020年に入ってVポイントをグループ内の共通ポイント化し、そして2024年にはCCCMKホールディングスと三井住友カードが提携し、「青と黄色のVポイント」としてTポイントとVポイントを統合したというのがこれまでの経緯だ。 【次ページ】三井住友カードが「Vポイントの買収」を決めたワケ
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